ブリューゲルの動く絵
劇場公開日:2011年12月17日
解説
「バベルの塔」「雪中の狩人」などで知られる16世紀フランドル絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲルの作品の中に入り込み、絵画の世界を旅するかのような感覚を味わえる体感型アートムービー。ルトガー・ハウアー扮するブリューゲルを案内役に、ブリューゲルの絵画「十字架を担うキリスト」に描かれている人々の日常生活をなぞりながら、絵画に秘められた意味を解き明かしていく。監督は「バスキア」の原案・脚本を手がけ、アート界でも活躍するレフ・マイェフスキ。実写映像と絵画を融合させてブリューゲルの絵画世界を再現する表現手法が話題となり、ルーブル美術館でも特別上映された。
2011年製作/96分/PG12/ポーランド・スウェーデン合作
原題:The Mill and the Cross
配給:ユーロスペース、ブロードメディア・スタジオ
スタッフ・キャスト
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2019年3月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
西洋絵画と映画とは似ていると思う
絵画に込められた意味、画家の本当の意図は漠然と表面に眺めていては解けないことがある
映画もまたしかり
ブリューゲルは2017年に大規模な展示会が日本各地で巡回もされ、彼の代表作の一つの「バベルの塔」を中心に紹介がなされたので観た方も多かろう
その絵はラストシーンで「ゴルゴタの丘への行進」の左側に展示されている
本作ではそれではなく、彼の本当の代表作「ゴルゴタの丘への行進」についての解釈を、その絵画の中に私達が放り込まれ、その中で起こる当時の出来事を目撃しそれをブリューゲルが如何に絵画として描いたのかを映画にして理解を進める事をテーマにしている
本作は日本語タイトルの通り「ブリューゲルの動く絵」である
つまり、モーションペインティング(動く絵)であり、モーションピクチャー(映画)ではない
だから、台詞は極力ない
話すのはブリューゲルとその話相手くらいだ
特に冒頭は30分近く一切の会話がない
なぜならその他の登場人物は全てブリューゲルの絵の中の人物であるのだから
絵画に描かれた人物は口をきいたりはしないのだ
フランドル派の絵画でも特にブリューゲルやヒエロニムス・ボスの絵は難解でその意味を解説して貰わないとなかなか理解できない
本作を観たことで「ゴルゴタの丘への行進」の解釈について、詳しく理解することができた
如何に漫然と表面的に観ていただけったかと思い知らされた
大変に勉強になった映画だ
映像も本当にブリューゲルが描いた絵画のような映像で動く
光線の当たり具合、霞みなどの空気感、彩度、色温度なども絵画に合わせて来ている
もちろん衣装、小道具、セットの考証は全く絵の中のそのままであり感嘆するばかりだ
しかし映画としてほどうか
はっきりいってつまらない
ブリューゲルの絵に思い入れがなければつらい時間になるのではないだろうか
ただただ圧倒されました。
絵画と映像の境目がまったくわからない。
トリックアートのような錯角。まるで美術館。
2018年3月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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「ブリューゲル展」に行った後に、そのままの勢いで観賞しました。ブリューゲルと言えばメッチャ緻密な絵を描いた事で有名です。解りやすく例えるなら「ウォーリーを探せ」みたいな感じです(「ウォーリーを探せ」作った人はブリューゲルの絵を観てウォーリーを思い付いたに違いない!?)。この映画はそんなブリューゲルの作品の中でも「十字架を担うキリスト」を映像化しています。
まぁ、ブリューゲル好きな人でないと観ようともしないタイプの映画でしょうけど、映画としては淡々と進み間違いなく眠気を誘われます。民衆の暮らしをよく映像化してるなぁっとは思うのですが、逆に民衆の暮らしを追っているだけなので台詞も少なく、盛り上がりに欠けるというか・・・それこそ映画というより博物館や美術館で流される映像作品って感じです。
時代も16世紀のブリューゲルなのか、イエス・キリストの時代なのかわかんなくなりますし、そもそもの主題がブリューゲルなのか、キリストがなのかも曖昧になってきます。だいたい撮影当時既に60歳近かったルトガー・ハウアーに40代で亡くなったブリューゲルを演じさせるの無理がないか?っと思ってしまう訳です。
人物の多いブリューゲルの絵の登場人物一人一人にストーリーを当てようとした努力は理解できますが、ブリューゲルを好きな人に向けたとしては何とも中途半端な感じですし、知らない人には何じゃこりゃ?な作品。何かもう少し上手くできたろうにね。画面の作り方が綺麗なだけに内容が伴ってなくって残念でした!
映画館で見てたらねちゃうかも。。。
設定は面白かったけども…