劇場公開日 2012年9月1日

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「ベッソン監督の全盛期の路線を継承した作品、ただし劣化版」コロンビアーナ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ベッソン監督の全盛期の路線を継承した作品、ただし劣化版

2015年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

興奮

幸せ

総合75点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:80点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )

 「ニキータ」と「レオン」を混ぜ合わせて発展させたような作品である。しかし主人公には一応家族を殺された悲しい苦悩があるとはいえども、娯楽色が前面に出ている活劇中心の作品になっている。その意味では登場人物の心理をえぐるような深みはなくて、だから「ニキータ」のような人間性のある生活を取り戻せない寂しい哀しさも、「レオン」のような孤独を癒す儚い一時の純愛もここにはあまり見出せない。ただそのような要素を盛り込んではみたものの、掘り下げは浅いままに流されている。
 物語は殺し屋としての訓練も見せてくれないし、20人以上を単独で殺していく危険な任務の情報収集も計画立案もないのは、ただ単に活劇部分を思いっきり見せて娯楽として楽しんでもらおうという意図があるようだ。どこから手に入れたのか、擲弾をいきなり撃ち込んでたった一人で乗り込むなんてびっくり。物語もそれだけ非現実的で単純になっていて、実際のところ活劇に時間が多く割かれている。「ニキータ」「レオン」では活劇の凄さに緊張し圧倒された後で、観終わった時に登場人物たちに感じた思い入れと余韻が、この作品ではやはり少なくなった。
 でもベッソン監督の全盛期の路線を継承した活劇の復活は嬉しいし、これはこれで楽しんだ。子役の役者は可愛らしかったし、ひたすら走り回る動きもなかなかのものだった。

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Cape God