ショーン・オブ・ザ・デッドのレビュー・感想・評価
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ゾンビコメディの金字塔
イギリスでゾンビパンデミックが発生。彼女にフラれ、職場ではティーンエイジャーの部下に見下され、いいことなしの青年ショーンは、元カノとヨリを戻し、大混乱を生き抜くことができるのか⁉
ロメロの「ゾンビ」へのオマージュとイギリスらしいシニカルでナンセンスな笑いが織りなすゾンビコメディ。エドガー・ライト監督×サイモン・ペグ×ニック・フロストがBBCのシットコム「SPACED」につづいてコラボ。「ホット・ファズ」「ワールズ・エンド」とつづく、「コルネット・トリロジー」や「血とアイスクリーム3部作」とよばれる3部作の1作目。
「Kill the Queen」という不敵なセリフで“開幕”する、「Don’t Stop Me Now」にあわせたゾンビ退治シーンはベスト・オブ・ザ・ベスト。「SPACED」でサイモンとともに主演を務めたジェシカ・ハインズや、マーティン・フリーマン(ダイアン役のルーシー・デイビスと「The Office」で共演)のカメオ出演もうれしい。
この作品がなければ、ゾンビがポップカルチャーのメインストリームをそぞろ歩きすることはなかっただろう。遅いゾンビ万歳!
パロディとしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よ...
パロディとしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よりも「ゾンビ映画の本質」をきちんと捉えている作りではあるものの、これでは余りにも基本的なストーリー展開や演出、テーマのすべてがオリジナル版そのままで、あえてパロディとしてリメイクしている必然性が見当たらない。
コメディとシリアスの比率が3:7くらいで、コメディにしてはシリアス過ぎるため、その配分が非常に中途半端な印象を受ける。特に後半は完全に真面目なゾンビ映画そのもので、独自の解釈や意外性のある展開は皆無。もっとクイーンの曲に合わせて楽しそうにゾンビを殴りまくるシーンのように、コメディとして徹底した方が良かったのでは。死と滅びを受け入れて、「とことんまで崩壊していく世界を楽しんでやるぜ!!」と言うような、「滅びのハイテンション」や「死のカタルシス」ってのが見たかった。
ラストもどうせなら、あの友人だけでなく、ゾンビになった母親や恋敵とも仲良く暮らして行くという暖か味のある終わり方にすれば良いのにと思ってしまう。近所のコンビニのレジ係をゾンビがやっているとかさあ…。そうしたオリジナルには無い、お茶らけた中にも「日常を生きる人間の強さや優しさ」を表現して欲しかった。潜在的にはもっと面白くなる余地があるだけに、オリジナルを超えようと言う気概が感じられないのが残念。
変わろうとする主人公の変えられない大事なもの。
◯作品全体
初見の時は「Don't Stop Me Now」のシーンが強すぎてそこに持ってかれたけど、改めて見るとエドガー・ライト作品の好きな要素がいろんなところに敷き詰められていたんだと気付かされた。
テンポ感のあるカット割りや音楽を使った演出もその一つだけど、個人的に好きなのは「変わろうとする主人公の変えられない大事なもの」が根幹にあることだ。
例えば『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』では酔っ払いのどんちゃん騒ぎがあって、世界を救う選択肢を提示されて…といろんなシチュエーションがあるけれど、友達との関係性がその根底に常時ある。彼女が出来たり、肩書が付いたりしてどんどん変わっていく人生の中で、昔からの友達はときに邪魔に見えたり、足を引っ張っているようにも映る。それでも安々とは切り離せない大事なものがあることを、コメディの中で見せてくれるのが好きだった。
『ベイビー・ドライバー』では音楽がその役回りだった。酸いも甘いも知り尽くした悪い大人と対峙し、好きな人を救い出すには成長しなければならない。その演出として音楽やカセットテープが蔑ろにされたり、切り離されたりしそうになるが、この作品でもそう簡単に手放そうとしない主人公がいた。
本作で言えばエドがその存在だった。作品冒頭から、エドの存在は主人公・ショーンにとって邪魔者にしか見えない。眼の前に彼女が居ても昔からの友達であるエドとの「身内ノリ」をそのままやってしまう。エドとの別れや衝突がショーンの成長の導線となりそうな冒頭のシーンである。しかし、予想できる展開にはそう簡単にさせていないところに、この作品の良さがある。ショーンはエドへ文句をつけたりするが、エドとの身内ノリを手放さない。そういう姿勢をフィクションでは「停滞」として描くが、この作品ではショーンがショーンで居られる存在としてエドが常時居たように感じた。パブの前でショーンがエドを叱るシーンはわかりやすい仲違いのシーンにも見えるけど、ゾンビが襲ってくるという非常事態でのやり取りというのもあって明確な対立として描かれていないのも巧い。
ショーンはリズとの関係性を改めるために変わろうとするが、明確に「変わった」というエピソードはほとんどない。無我夢中にゾンビから逃れようと必死になった姿がリズに響いただけだ。恋人・リズとの進展のために親友・エドとの関係を犠牲にすれば確かに成長に見えるかもしれない。しかし、ショーンにとってのエドは親友であり、変わらない自分で居させてくれる存在。そう簡単に犠牲にできる人ではないのだ。そう感じさせるストーリーが、とても好きだ。
ラストもリズとのハッピーエンドではなく、形を変えたエドとの友人関係で終えているのも素晴らしかった。
wikipediaには「公開時のコピーは"Rom Zom Com"だった(Rom=Romance, Zom=Zombie, Com=Comedy)」とあるが、それは表向きで、根幹にはあるのはエンディングで流れてくる「You're My Best Friend」なのだと、思う。
◯カメラワークとか
・序盤で多用されるアクションの強調とカット割りが面白い。露骨に強調されたSEとQTUで何気ない芝居もコメディチックに。
・同ポの使い方も面白かった。シェアハウスの洗面器の前でピートと話すシーンはゾンビ増殖前後にあるが、鏡でピートを映してサプライズを挿れるゾンビ前と、居ないことがむしろ恐ろしいゾンビ後、みたいな。
◯その他
・日常の景色に少しずつ違和感を映す感じが面白い。コメディチックに繁殖を映す演出。
親友との関係性だったり、その映し方は好きなんだけど、ちょっと物足りないって気持ちもあるんだよなあ。序盤でピートと鉄拳2の話をしてたり、パブで客の架空エピソードで盛り上がってるところが良すぎて、そういうところをもっと見せてくれ…!と思ってしまっているからだと思う。
クイーンの曲の使い方が秀逸
街がゾンビだらけになっても、とりあえずパブへ行こうという発想が英国人っぽい(のかな)。ゾンビがうじゃうじゃと行き交う通りを横切って、どうやってゾンビに気付かれずに避難場所のパブにたどり着くか。作戦がへなちょこすぎて大笑いしました。
気分が落ち込みがちな時に見たくなります。
QUEENに感謝。
①とても29才には見えませんでしたわ、ショーン。
②ゾンビものは好きでもないし興味も無いしで、『スクリーム(どの話だったは忘れた)』の中で登場人物が観ていたので、それ繋がりで鑑賞。
③ホラーコメディとの謳い文句だが、怖くはないし笑いもニヤリとさせる程度だし(イギリス的ユーモア?)、エドのキャラはウザいしで、先も読めるしでクライマックスまでは余り感興湧かず。
ショーンが主役なんだから、パブの周りを取り囲んだゾンビの中に囮として飛び込んだショーンの方の描写も必要だったのでは?
④それがパプに雪崩れ込んできたゾンビと闘うシーンで突如流れ出すクイーンの「Don't Stop Me Now」で一挙にテンション・アップ!
ラスト、ゾンビとなったエドと仲良くTVゲームする時に流れるのがクイーンの曲で一番好きな「You're My Best Friend」。
それで⭐だけオマケです。
全く怖くない!
ショーンのワイシャツにネクタイという姿はかっこよかった。
ゾンビが蔓延っているのに、全くそれに気づかないショーン。
やっと家の庭にゾンビがうろついているのを見てゾンビの存在に気づいた。
そのゾンビを倒すべく、レコードを大事かどうかその場で選別してエドが投げた。
義父が死ぬ間際、ショーンと感動する話をしていた。ショーンの泣く演技がとてもよかった。
ショーンとエドのコンビが面白すぎ。
ダイアンがショーンを襲っているゾンビをパブのダーツの矢で倒そうとして誤ってショーンに突き刺さった。
その突き刺さった矢を抜くシーンもかっこよかった。
結局、リズとヨリを戻しエドはゾンビになったまま納屋で飼われていた。
めっちゃ面白かった!また見る価値あり
何でだ!!!ひどい!!
えー!?何それ!!というシーンの連続。
コメディらしいが笑いどころが正直全然わからん…!(お国柄や文化の違い?)
わたしはクリスマスイブになぜこの映画を選んで観てしまったのか…!
ラストを観るに、ショーンとエドの友情の物語として観れば良かったのかと思ったけど、基本2人とも心底ダメな奴ら(しかも愛嬌のあるダメさというより、クズ寄りなダメさ…)でグッとこない…。
エドに関しては最初から最後まで良いところや見せ場があまりないまま退場した感がある…。
ショーンの再起の話として観るにもいまいちだし(ショーン、なぜ危険を犯してまでそんなにあのパブに行きたかったの…?彼の行動は基本行き当たりばったり感がすごくて謎すぎる…)、
ショーンとリズのロマンスも全然心動かないし(リズはやはりショーンと別れたほうが良かったのでは…?と思わなくもない)。
ショーンと彼の母や義父とのシーンは良い話っぽい割にエピソードとして浅いし、
リズの友人カップルのパーソナリティも結局よくわかんなかったし(なぜいつもリズについてくるの…?どうして2人は付き合ってたの…?)。
全体として消化不良感が否めない…!!
そしてなぜゾンビのフリ(しかもみんな下手!雑!!)すれば襲われなかったのかとか、
いきなりデビットの最期のシーンで臓物飛び散るグロ全開にしたのかとか、
クイーン流しながらの戦闘シーンはなんだったのかとか(命の危機なのに曲に合わせて戦うのひたすらシュール…)、つっこみたいところ多数というか、つっこみたいところしかない。
レコードブーメランの戦闘シーンとかもあれは笑うとこだったのか??
何がしたい映画だったのか私には全然わからなかった…。観終わって「えー!?」って言っちゃった。
【テンポ良し、カメラワーク良し、当然音楽の選曲良しの、エドガー・ライト監督の今作後の快進撃を予感させるホラー・コメディ。】
■家電量販店で働くショーン(サイモン・ペッグ)の楽しみは、同居している親友・エド(ニック・フロスト)とのゲームとパブでのビール。
恋人・リズ(ケイト・アシュフィールド)にデートをキチンとセッティングしなかった事が切っ掛けで、ふられて飲みすぎた翌朝、ショーンが目を覚ますと、街はゾンビであふれ返っていた。
愛するリズと母親を救うため、無気力男で、自堕落な男ショーンが逞しく立ち上がる。
◆感想
・選曲の良さ。
例えば、前半ゾンビが襲って来るシーンで、LPを投げつけるショーンと、エドの会話が可笑しい。
”それ、ブルーマンデーの初版だからダメ!”とかね。
又、ゾンビたちと戦うシーンで爆音で流れる、クイーンの”ドント・ストップ・ミー・ナウ”
- エドガー・ライト監督の名を一躍高めた、「ベイビー・ドライバー」の要素が、今作ではキチンと盛り込まれている。-
・人を襲うホラー要素やアクションはもちろん、危険を顧みない勇気や大切な人(親友・エドや母親)との別れなど、映画に必要な要素を全て詰め込んだ演出も秀逸である。
<今作は当初、映画館で上映されなかったが、「ベイビー・ドライバー」の、大ヒットにより劇場公開されたのは衆知の事実。
私の居住区では上映されなかったが、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン」は、何とか鑑賞。(お客さん、たった3人だった・・。)
今作は、エドガー・ライト監督の、映像へのこだわりや、音楽のセンスが十二分に感じられる作品である。その後の活躍は、知っての通りである。>
チグハグな映画
コメディ要素が大きいゾンビ映画。笑える場面もたくさんあるが、義父フィリップの死やゾンビと化した母を殺すやるせなさなど悲しい場面もある。コメディに関しては突っ込みどころ満載のシュールギャグや面白い会話のやりとりがあり、特にゾンビとの2ショットはゾンビもいい顔をしていてツボだった。しかし、レコードを投げる場面や時折流れる音楽が場面にミスマッチで、なおかつ滅茶苦茶くどいところがダメだった。また真剣な場面とコメディが混ざってくるので、真に迫っていない。ある程度物語の雰囲気を真剣かギャグかに大きく寄せる必要があったと思う。
また全く無計画な主人公、そしていつも足を引っ張っている癖に最後だけいい顔するエド、なぜか頭がおかしい主人公を全肯定するリズ、これらのキャラクターは見ていてイライラするし、リズにいたってはまったく人間味を感じなかった。途中の主人公が批判されるシーンには頷くしかない。またゾンビがあんなにとろいのに感染が広がったのも不思議だし、最終的にゾンビと共存しているのも謎、コメディ映画にツッコんじゃだめだけど、終わり方が意味不明すぎて笑えるというよりもポカーンとしてしまう。個人的にはもう見ないかな、特に見ていてイライラするのと、終わり方がイマイチなのが致命的。
クスリと笑える
自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。
先日「ベイビー・ドライバー」を見て、エドガー・ライト監督に興味を持ったため、本作を見ました。
ゾンビ映画はあまり見たことがないですが、時々クスリと笑うこともでき、面白く見ることができました。コメディーシーンからのシリアスシーンに急に移ることもあったりと、ちょっと驚きましたが、あれはあれで笑いどころなのかもしれません。途中、クイーンの曲に合わせてゾンビと戦うシーンは、監督はやはり音楽と行動を合わせるのが好きなのかな、と思いました。
ショーンの驚く顔、呆気にとられる顔は、見ていて面白いですね。親友のエドのクズっぷりは、愛すべきバカになるかどうかのギリギリ絶妙なラインだったと思います(笑)。
コメディ色が強すぎ
コメディが好きじゃないのでスルーしてたけど、
『ラストナイト・イン・ソーホー』観てから、エドガー・ライト監督が気になって、やっと…
好みがあると思うけど、個人的にはスルーでOK(笑)
ホラーとコメディって『死霊のはらわた』しかり『バタリアン』しかり、相性いいと思うんですが、
スパイスとしてコメディを入れるのは、いいと思います。
が、この作品はホラー風味のコメディ映画に近い(笑)
音楽センスに定評がある監督みたいですが、
オープニングのスペシャルズと、エンドロールのバズコックス、が良かった。
エンドロールに「EVERYBODYS HAPPY NOWADAYS」は、センスいい!
序盤は良し。中盤以降、失速。
今更初見。
ゾンビもの定型書式、平時、蔓延、気付き、逃走、籠城、死闘、解放を律儀になぞる佳作。
序盤から面白がって快調にふざける気付きまでの手際良し。
中盤以降変に泣かせと伏線回収に置きに行き失速。
同監督近作の何とかソーホーもそう言えば要素盛り込み過ぎ。
緩いゾンビと思うなかれ、喰う時は容赦無いグロさ。
サイモン・ペッグ主演なので緩さは言うまでもなく、おバカなコメディーに仕上がっている。ゾンビの追ってくる怖さは最小限に留め、淡々とリアルに襲う所はしっかりとホラー。
矛盾点やツッコミ所、安易な展開はむしろ楽しむべき要素。ショーンとエドは若い頃の自分に当てはまる様な、今では懐かしい関係。観ていて羨ましくもなるが、エドの行動にイラっとするのは自分が歳を取ったからかw
要所要所で独特な魅せ方が面白い。が、爆笑する程でもなく、とんでもなく怖い訳でもない、、、中途半端な印象。それでもサイモン・ペッグが何気の良い演技で★+0.5。
ユルっと映画を観たい時にオススメだが、油断してると急にグロめのシーンをブッ込んでくるので注意。ラストは予想外のほっこりで好き。
ゾンビコメディも今は面白いのがいろいろ出てるから別にこれじゃなくて...
ゾンビコメディも今は面白いのがいろいろ出てるから別にこれじゃなくてもいいかなぁという感じ。
6人がすれ違うシーンとか結構好きだしクスッと笑えるところもあるんだけど、全体的には期待していたほどではなかった。
何度見てもやっぱり好きなゾンビ映画
何度見たか忘れたけど、久々に鑑賞。
エドガーライトの作品は急にふと見たくなる。
ゾンビ映画なんだけど、物凄くライトタッチで、コメディ要素が強い。けれどもしっかりとジョージ・A・ロメロへのオマージュも忘れられてちないのが素晴らしい。
パブ大好きってところとか、ブリティッシュテイストが推し出てて、ほんと好き。
ライトの作品はどれもこれもテンポがよく、トントン拍子で進むので、飽きがなく見やすい。かつ音楽センスもよく、Queenの”Don’t stop me now”が使われたシーンは、ホラーコメディ映画の象徴的なシーンとも言えるだろう。ホラーコメディなので、明るいので、普通のゾンビ映画とは一風変わったラストシーンなんかも優しい世界って感じがして大好き。ラスト流れる”You're My Best Friend”も最高。
ペグとフロストのコンビも現在で、ナイラパーク制作なので安心して楽しめる。彼らが組んで作るライトの映画は、ほんとに好き。というかここからこのコンビが始まったのか。今から”ホットファズ”も見たくなってきた。
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