劇場公開日 2023年10月27日

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「とんでもない」アンダーグラウンド(1995) hhelibeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0とんでもない

2019年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

20年ぐらい前にビデオで観た時は途中でウトウトして結局意味が全然わからず、ずっと刺さった小骨みたいになってた映画(サントラはCDでよく聴いてたけど)。映画館で小骨を抜くことができてよかった。ありがとう早稲田松竹!

しかしまあ、こんなにもとんでもない映画だったのか!
高田純次みたいな詐欺師の伊達男と、佐々木希みたいな超絶美人の男性依存女、あと生命力だけ異常に強い男の3人を中心とした大河ドラマなんだけど、とにかく3人ともアクが強くてめちゃくちゃで、バンバン人が死ぬんだけどかなり笑ってしまった。

3人とも正義とは無縁の超自己中で、ちょっと引くぐらいやりたい放題なんだけど、最後まで観終わると、あのくらいのことをしないと「自分の国がなくなる」みたいな過酷な現実を乗り越えられなかったのかな…と思ったり思わなかったり。高田純次の行動は明らかにやりすぎだけど。

手榴弾爆発シーンの笑っちゃう感じとか、結婚式シーンの「明らかにヤバいことが起こるぞ…」感とか、車椅子が燃えながら回るシーンの美しさとか、ラストのパーティーシーンの昂揚しながら泣けてくる感じとか、とにかく印象的なシーンがいっぱい。冒頭の動物園爆撃シーンとかどうやって撮ったんだろう…

最後まで観ると「社会的な映画を観た」って気持ちになるけど、みんな酔っ払ってる時に戦車の中にサルが入っていって、楽団の男が「とんでもないことになるぞ…」ってつぶやくとことか、完全に笑わせようとしてるよな…。
最初のほうで、爆撃受けてる中で男が不倫相手とセックスしてて、いよいよイキそう…って時に爆撃がいよいよ激しくなって、女が「いやまじで死ぬでしょこれ」って逃げ出して、えぇ~ってなった男が崩れそうな家の中で自分で抜いてるシーンも面白かったなぁw

この映画、永遠の名作!20世紀の傑作!みたいに言われてるからそういうモードで観に行ってしまったけど、公開した時は超賛否両論だったらしく、そりゃそうだよなーと。
すごい面白かったけど、こんな闇鍋みたいな映画が傑作!って言われてるのはちょっとなんか居心地悪いというか。

hhelibe