劇場公開日 2011年8月27日

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「僕らはみんな生きている [修正]」LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0僕らはみんな生きている [修正]

2011年8月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

[修正:どうしても本作を未見の方に紹介したくてネタバレ指定を外した。
後半ちょっとだけネタバレ注意です、スミマセン……]

192ヵ国から寄せられた、総計4000時間にも及ぶ<2010年7月24日>の映像を編集し、
世界のとある1日を追うという野心的ドキュメンタリー。

あぁもう、この映画の感動を何と言い表せば良いのだろう?
ひたすらに素晴らしいとしか言えない。
上映中に何度笑い、泣き、喜び、顔をしかめ、反発し、共感したことか!

この映画を観れば分かる。
好きなもの、嫌いなもの、怖いもの、大切に想うもの。
環境や思想の違いこそあれ、それらは世界のどこでも大差は無い。
僕らは確かに、同じ地球で、同じ時間を生きてる。
存在している。

だから、自分の心を想うように、相手の心を尊重して生きよう。
映画館を出て暫く、世界の全てが近く、いとおしく思えた。
言い過ぎかも知れないが……
この映画、誰かの人生をひっくり返し兼ねないほどの威力を持った映画だと思う。

以下に、僕が鑑賞中付けているメモから印象的だったシーンを書き出してみる。
ネタバレというほどのネタバレではないかもだが、
まっさらな状態で映画を観たい方は、申し訳ないが
◆と◆の間を読み飛ばしてほしい。
もう観た方は、
少しでも本作のことを思い出してもらえたら幸いだ。
では……



エレベータからの夜景
真夜中・人生への諦念
遺影への“おはよう”
人生初のひげ剃り
ママが入院した朝
手術した男の感謝
帝王切開を見て卒倒
朝鮮出身の自転車男
お節介で超貧乏のケネス
靴磨きの少年
墓暮らしの人々
怯える牛の瞳
親父とのドライブ
マミラピンアパタイ
プロポーズのアドバイス
女が男にひざまずく文化
祖母へのカミングアウト
エルビス・プレスリー
50年目の結婚式
万引きパルクール
塔に登るヴィルジニア
割れないシャボン玉
アフガニスタンの“陽”
PC越しのデート
孤独を恐れて孤独でいる女
もう何も怖くないと妻に微笑む男
月を横切る飛行機の影
夜空に浮かべた灯り
何もなかった1日への後悔に関する、美しい独白。

「どんな平凡な人生にも良いことがあるって、世界に見せたかった」



世界を美しく思えるのはたいてい、1日の内でほんの一瞬。
けれどその美しさを世界中から掻き集めたら、
世界はきっと24時間、ずうっと美しい。
素晴らしき哉、人生!

<2011/8/28鑑賞>

浮遊きびなご