「【”水中から上がって来る理由が見つからない・・”ジャック・マイヨールをモデルにした海洋ヒューマンドラマ。ジャックがイルカと戯れる幻想的なシーンが印象的な作品でもある。】」グラン・ブルー グレート・ブルー完全版 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”水中から上がって来る理由が見つからない・・”ジャック・マイヨールをモデルにした海洋ヒューマンドラマ。ジャックがイルカと戯れる幻想的なシーンが印象的な作品でもある。】

2020年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

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■1965年 ギリシア -モノクロー
 ”イタリア人の体の大きなガキ大将”、エンゾと”フランス人のチビ”、ジャックとの海の中のコインを取る競争から物語は始まる。
 ジャックの父も潜水夫だったが、潜水中の事故により息を引き取る・・。

■1988年 シチリア -画面はカラーに切り替わるー
 ・難破船の捜査に潜った潜水夫が上がって来ない・・。焦る難破船捜査員にエンゾ(ジャン・レノ)の弟ロベルトは”1万ドル”でどうだ・・と言い、エンゾは潜水夫を救助する。
ロベルトの誇らしげなセリフ”兄貴は世界チャンピオンだ!”
 エンゾは弟に、”あのフランス人を探せ・・”と言う。

■アンデス山脈の凍り付いた湖  -チチカカ湖か?-
 ・湖底に沈んだトラックを調査する男。ジャック・マイヨールである。酷寒の中、海水パンツ一つで涼しい顔で、氷が張った湖に潜り調査する姿。
 調査に当たる、ローレンス博士が言う。”ジャックの心臓の鼓動は、水中に潜るとドンドン低くなる・・”
 そこに現れたニューヨークから来た保険会社調査員ジョアンナはその不思議な爽やかな微笑みを浮かべるジャックに惹かれていく。ジャックは彼女に”イルカに似ているね・・”と言葉を掛け、イルカの玩具をプレゼントする。

■コートダジュール
 ・20年ぶりにジャックとエンゾは再会。抱き合った後、エンゾは”潜水世界大会に出ろよ!”とジャックに言い、航空券を渡す。

■シチリア
 ・世界大会が開かれる。ジョアンナは会社にウソを言い、駆け付ける。エンゾは潜水記録95mの新記録を出す。
ー酸素ボンベ無しの潜水競技の方法が面白い・・。-
 更に、エンゾは99mまで記録を伸ばすが、ジャック・マイヨールは競技最終日、108mまで潜り、海上に飛び出す。とともに、イルカ達も祝福するかのように海中から空中に飛び出す。
 ジャックとジョアンナは結ばれるが、ジャックは夜中に海に出て、イルカたちと遊ぶ・・。朝まで待つジョアンナ。そしてそのままニューヨークへ戻ってしまう。
ー映像のシンクロニシティが美しい。又、月光が降り注ぐ中の、ジャックとイルカたちが一緒に泳ぐ姿が印象的である。
 ジョアンナのイルカに嫉妬する姿も可愛い。ー

 ・エンゾとジャックは潜水作業中、アルコールを持ち込んだことでクビ。ジョアンナもウソの出張がバレて、クビ。
ーそりゃ、そうだろう・・。-

 ・そして、再び大会。エンゾは115mを記録するが、ジャックは120mを出す。
ー二人とも、潜水病にならないのかな・・。普通の人間ではないなあ・・。-

■ギリシア -二人が幼き頃の冒頭のシーンが蘇る・・-
 ・”第14回世界選手権大会” 二人の決選の日。
 ローレンス博士は大会関係者に”115mは水圧など、人間の限界を超えている”と中止するように伝えるが、エンゾは強行。
 そして、エンゾはジャックの腕の中で息を引き取る。エンゾの亡骸を彼の希望通り、海底に連れて行くジャック。彼も意識を失うが、博士たちの努力により、蘇生する・・。

<ジャック・マイヨールをモデルにしているが、リュック・ベッソンが作り出した、”幼き頃からの友情で結ばれた男同士の潜水競争”を、ジャックが父を失ったショックから、イルカを心のよりどころに生きていた時に現れたニューヨークの女性ジョアンナとの恋を絡ませて描き出した作品。>

■蛇足
 私は、学生時代から登山(学生時代は少し、先鋭的な登山であった)をしているためか、エンゾとジャックの”より、深みを目指したい・・”と言う気持ちは、分かるような気がした作品である。

NOBU