劇場公開日 2011年7月2日

  • 予告編を見る

「「アラベスク」から現代まで」赤い靴 ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「アラベスク」から現代まで

2022年4月17日
iPhoneアプリから投稿

山岸凉子「テレプシコーラ」への飢餓感(続編が読みたい!)から「アラベスク」を読み直していたところ、作中でこの作品への言及がありました。

「踊らずには生きられないダンサーの悲劇」のように紹介されており、まさか空美ちゃんのようなキャラが主人公では…?と思い鑑賞。
結論からいうと空美ちゃんではなかったです。。

主人公のダンサーは裕福な家の子で、私が想定したようなハードな追い込まれ方は序盤ではあまり見られませんでしたが、劇中バレエ「赤い靴」の場面では舞台ではあり得ないイメージ演出が連発されたり、なかなか実験的で楽しめました。

いよいよ終盤になるとバレエか個人の幸福か、というような二者択一を迫られ、一挙に緊迫感が高まります。
才能ある女子が迫られがちなこの問題、「アラベスク」の当時はもちろんのこと、現代でも充分起こりえるやつ。
結末は感傷的ですし展開が甘い部分も少なくないですが、バレエ、童話という古典的な題材でありながら、テーマや着眼点は現代にも通用するものを持っているなと思いました。

Amazonにあったバージョンは登場人物の顔もぼやけきっていてほとんど白黒映画、というほど褪色した場面もあったので、この作品の真価を知りたければ修復された4kバージョンを観るべきなんでしょうね…
ダンスはもちろん、音楽も作り手が天才という設定に負けない迫力があり、サントラが欲しくなりました。
ていうか映画のために新作バレエ一本作って曲も書き下ろす、なんて信じられない贅沢な話ですよね。

ipxqi