劇場公開日 2011年12月17日

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「ホロコーストを背負った少女の悲しい歴史が、世界の何処か泣き叫ぶ」サラの鍵 ezuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ホロコーストを背負った少女の悲しい歴史が、世界の何処か泣き叫ぶ

2017年9月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

ドイツ軍がパリに無血入城して2年。
1942年頃のフランス官憲を利用した過酷なユダヤ狩りの恐怖を、強い意志を持ったカメラが、怯える群衆の俯瞰図を通して虐待の悲惨を浮き彫りにして行く。
一家が自宅から連行される時に弟を置き去りにした自責の念にかられる少女サラが、収容所から逃げるシーンのなんと美しいことか。
ホロコーストを背負った少女の悲しい歴史が、世界の何処かで静かに泣き叫びながら過ぎて行くのを感じる。
ストーリー展開に、女性ジャーナリストの私生活を絡ませたのが映画の巾を広げ、登場人物に深く思いを馳せる結果となった。

ezu