ピラニアのレビュー・感想・評価

　『ゴーストキス』で女子高生の幽霊をやってた子が主人公だ。このお多福かぜにかかったようなしもぶくれの面立ちも、恋愛成就して初めてのHのときに見せる顔がとても可愛く感じてしまった。

　一方、女子生徒にセクハラだと訴えられ、教師をクビになった男晴男。生徒と親、教頭や校長に対して復讐するため、池にピラニアを放流。しかし、彼らを全員池に落とさなければならないし、南米にしか生息しないピラニアが日本の池で生きていけるわけがない・・・復讐といっても、どうも憎めない男。どことなくユースケ・サンタマリアに似ている。

　奈津は結局騙されていた。曽根には妻もあり、足も悪くなく、弁当屋開業のために奈津から金をむしりとり、利用していただけだったのだ。どこにでもあるストーリーだけど、晴男という存在が心温まる仕上げになっていた。

　吃音女性と足の悪い青年の対比。足を悪く見せると弁当屋の客も増えるだとか、奈津が彼に好かれたのは自分よりも弱い部分があるからだと人間の奥底にある心理を見事に描いているところもいい。井土紀州監督はそのうちメジャーになるに違いない！

　『渚のマーメイド』にも主演で出ていらっしゃる吉岡睦雄さんが出演されていて、しかも井土紀州監督作品というので見たところ大変面白い映画だった。処女だった白井みなみちゃんが、やった途端どんどん色気づいて終いにはキャバ嬢のようなブラジャーをしていた時のガッカリ感は主人公と全く同じ意見だった。