劇場公開日 2011年7月23日

「フジテレビのめざましテレビの一コーナー“きょうののわんこ”で取り上げられた実話を基にした物語」ロック わんこの島 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0フジテレビのめざましテレビの一コーナー“きょうののわんこ”で取り上げられた実話を基にした物語

2021年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 古くは『南極物語』。この当時では『マリと子犬の物語』と、この手の話はいっぱいあるようだな。この2作に関しては、避難するとき犬まで連れていけないという理由で置いてけぼりにされたのだが、このロックでは犬たちもちゃんと東京まで救護施設に連れて行かれたのに、ロックはケージを開けて逃げ出したとのことだ。父ちゃん(佐藤)は嘘をつけない性格らしいので本当のことなんだろう。

 民宿とは別にばあちゃん(倍賞美津子)の家でも同じゴールデンレトリバーのハナを飼っていたが、避難する直前に死んでしまった。ロックの母ちゃんだ。このハナは高齢出産だったためロックが産まれたときは死産かと思われたほど。このロック目線でのこもごも音声もあったりするけど、これはあまり効果的じゃなかった。

 ストーリーもだいたい想像つくのだし、、小学生の芯の日記帳のナレーションで展開することにも目新しさはないのだが、映像が凄い。灰をかぶった家や道路など、効果を出すのには大変な作業だと思われる。ドキュメント映像も上手くかみ合っていた。

 大型犬が見つかったという報せを聞いてタクシーに乗り込む親子。8740円という高額のタクシー料金だったが、どうも足りない。タクシー運転手(光石研)も犬を飼っているので、料金はまけてくれた。あぁ、いい話だ。防災関係者から獣医の元に届けられたロック。しかし、予想とは裏腹に、避難アパートでは犬を飼うことができないので里親に出すことを余儀なくされる。

 公開の日はもちろん東日本大震災後ということも考慮してか、野山親子の避難生活も見事に描かれている。そして、ばあちゃんは犬が生きていたことをネタに精神的にまいってる避難民を励ました。

 そして、帰島できることになったのは4年以上の歳月を要した。里親に出して、すっかりそこの家族になついてしまったロック。野山芯のことを覚えてるだろうか?といった話なのだ。ただ、その後半部分が子役も変わったりしているので、どうも感情移入できない。大急ぎで展開させた分だけ感情移入しにくいのだ。2時間の映画で4年の月日を映像化することが本当に大変なんだとわかったぞ。

kossy