劇場公開日 2011年6月4日

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「軽蔑しますって、それは・・・」軽蔑 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0軽蔑しますって、それは・・・

2016年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

萌える

全体的に昭和の香りがプンプン漂うレトロ感が半端じゃない映画でしたが、携帯を使っている所を見ると一応設定は現代だったようで、その辺でちょっと違和感があったかなぁ。
何か今の時代の話って感じが全くしなかったんですよね、どうせなら昭和設定にしてもらった方がまだスンナリ入っていけた気もするのですが、現代にすると今の時代に?って感じで、いまいち入って行けないと言うか何と言うか・・・。
身分違いの純愛は嫌いではないので、一応それなりには堪能させてもらいましたが、感情移入度はかなり低め・・・ちょっと遠い目で見てしまうような破滅的な愛の物語だったかなと。

まあとりあえず、主人公カズを演じた高良健吾のクズっぷり、いかにもボンボンで田舎出身のチンピラ風情な感じは抜群に出ていたと思いました。
見た目小奇麗なのは田舎のチンピラとしては少し違和感もあったのですが、ボンボンであることを考えればなるほどとも思わされたりで、いい線突いていたなと。
ただこの男の行動が本当に共感できない、やる事なす事クズ思考なもので・・・。
結末見ても、仕方ないのでは?としか言いようがなかったかも。

そんな破滅的な愛に身を委ねるポールダンサーの真知子を演じたのが鈴木杏でしたが、イメージ一新のヌード&ベッドシーン等頑張りは認めるものの、やはりこのキャラに鈴木杏なのはちょっと無理があったかな。
歌舞伎町のナンバー1ポールダンサー?幼児体型&小ぶりな胸でそう言われても、さすがにそれは・・・ってまあ個人的には嫌いではないのですが、説得力は無かったかと。
ただ演技自体は素晴らしかったですけどね、行き場のない愛で、孤独に苛まされる表情は印象的でした。

しかし愛の物語よりも、どうしてもカズのクズッぷりばかりが目についてしまい、もう一つ入り込めないんですよねぇ。
僅かばかりの金を稼ぐのだって、世の中結構大変なのに、あれでは・・・。
大森南朋が演じた悪い方のチンピラの方が何気に正論なだけに、何とも・・・(苦笑)
どうも焦点がボヤけてしまったり、ミスマッチだったり、微妙な違和感を感じる作品になってしまったのはちょっと勿体無かったですね。
私は主演2人の熱演で何とか見れた映画でしたけど、あまり世間の評価が芳しくないのは妙に納得だったかも。

スペランカー