劇場公開日 2011年10月1日

「若者の良き指導者」天国からのエール Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5若者の良き指導者

2014年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 挫折を経験して目標を見失いそうになった若者のことたちをほうっておけない。それは自分がまた若きころのいろんな経験があって、彼らのことがそんな自分と重なっているから。「挨拶をする」「赤点をとらない」など、音楽だけでなく彼らの生き方を導く主人公を阿部寛が上手く演じた。このような貴重な経験を若者に持たせてくれた人物には好感が持てる。劇中で演奏される音楽は決して洗練された上手なものではないが、そこもいかにも発展途上の高校生らしくていい。
 反面、若者たちの存在感が弱い。どんな人たちがいてどんなふうな困難にぶつかっていたのか、彼らの背景の描き方があっさりとしていて人物像がもうひとつ浮かび上がってこない。たくさんのバンドがスタジオを使用する中で中心となるバンドが一つだけ登場するが、演出のせいなのか演技のせいなのかその人たちのことすら生き方や性格があまり伝わってこなかったし、それもあって若者たちと主人公との関係が深く掘り下げられていないように思う。主人公が何をやったかだけではなくて、プロになって成功するかどうか以前の話として、それに対して若者たちがどうなったかがもっと描かれて良かったのでは。

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Cape God