「福山雅秋の「桜もち」を聴いてみたいぞ♪」映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0福山雅秋の「桜もち」を聴いてみたいぞ♪

2018年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 スネ夫が持っていた玩具のロボットもハイテクで素晴らしいモノだったが、それを見たのび太がドラえもんに駄々っ子のように強請るシーンでは、またこの子ったら・・・などと期待できない内容に思えてしまった。怒ったドラえもんがどこでもドアで北極に涼みに行ったので、追いかけるのび太。そこで見つけた巨大ロボットの部品を持ち帰り、青い球体が通信によって次々と部品を呼びよせたのだ。あまりに巨大すぎるため“鏡面世界”にて組み立てるドラえもんとのび太。ただ、頭脳の部分がなく、ドラえもんは未来デパートで頭脳に代わる部分を購入してきたおかげで自由自在にロボットを操ることができた。

 リルル(沢城みゆき)は表面的には友達のようにのび太に接してきて、ドラえもんが留守の間に鏡面世界への入り口となる道具を借りる。そして現実世界にそっくりだが、生物は住んでいない鏡面世界で地球侵略の足がかりとなる基地を建設するのだった。リルルはロボットの星メカトピアから来た調査員。着々と準備は整っていった・・・

 メカトピアにも人間は住んでいたのだが、一人の科学者(=神)が天国を作ろうと一対のロボット“アムとイム”を創り、やがてロボットがロボットを作り、人間が滅びてしまったのだ。やがてロボットの世界にも格差や階級が出来上がっていて、リルルたちは労働ロボットという位置なのだ。しかし、労働ロボットだけでは足りず、地球人を奴隷として捕獲しようと計画が立てられた。というストーリー。

 青い球体と会話するため愛らしい姿にメタモルフォーゼさせたドラえもんたち。実は巨大ロボット“ジュド”の頭脳なのだが、彼らはピッポと名付けてしまう(笑)。相変わらずのび太君の命名は素晴らしい。可愛いヒヨコみたいななりだが、喋る内容は好戦的。怪我をしたリルルも攻撃的なのだが、やがてのび太たちの手厚い看護によって心に変化が芽生える。

 SF要素満載!というか、宇宙人が全てロボットであるという設定も面白いし、鏡面世界という虚の空間という特殊な設定のおかげで破壊活動やカタストロフは和らいでいる(子供にも鑑賞可能にするためか)。大きな池に鏡面世界に繋げるようにしたドラえもんもエライ。対話による平和解決を望む子どもたちだったが、やがて鉄人兵団の大軍団がやってくると、ついに武器(とは言っても殺傷能力ナシ)を手に取る。何しろこの世界での人間はドラえもんと4人の子供たちしかいないのだ。絶体絶命のピンチ!

 さらにSF要素は、毎度お馴染みタイムマシン。しずかちゃんの機転により、彼女とリルルがともに3万年前の神である博士に会いに行き、そこで“アムとイム”に人を思いやる心を持たせようという計画だ。過去を変えてしまうと、リルルもピッポも存在しなくなる!消えてゆくピッポやリルルを見てたら涙が止まらない。

 ドラえもん映画の最高作品じゃないか?

kossy