劇場公開日 2011年12月10日

源氏物語 千年の謎 : インタビュー

2011年12月9日更新
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「自分が入ったころには現場の空気もでき上がっていたので緊張していたのですが、生田さんが気さくに話しかけてくださって、頼ったというか助けてもらいました。生田さんとのやり取りでつくっていった感じです。1シーン、1カットにかける時間が長く、考える時間もあったので、本番で集中するようにもっていくことができました。衣装はすごく大きかったですね。でも、十二単はすっごく重かった。負担にならないように軽くしてくださったと聞いたんですけれど、それでも重かったです(笑)」

加えて、鶴橋康夫監督からはこれといった指示はないままに10日ほどの撮影が過ぎていった。それでも、濃密な時間を過ごせたと強調する。

「監督はすごくシャイな方なので、現場に来て『葵の上はこうしてほしい』というのではなく、全然関係のないことをお話しされて『よし、やってみよう』という感じだったんです。だから初めは手探りで、何回もテストをやって動きや言い回しをつかんでいく繰り返しでした。それを10日間、みっちりやったので集中はできました」

中でも、最大の見せ場となる出産と六条御息所にのろわれる壮絶なシーン。“産みの苦しみ”と、さらには生霊となって乗り移った御息所の思いをセリフで表現しなければいけないという難所だ。対じした田中麗奈とも入念な準備をして臨んだという、まさに体当たりの熱演だ。

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「どうだったかなあ。(出産経験のある)葵の上のお母さん役の方がそばで見届けてくれていたので、どんな感じか聞いたり、もうイメージですね。御息所の気持ちでセリフを言わなければいけないので、けっこう合わせるのが大変でした。田中さんが言うセリフに口パクで合わせてみたりするんですが、テストを何回重ねても本番では気持ちが入るので少しずれたりもするんです。そういう意味では、けっこう念入りに合わせました」

そして撮影から1年余りがたち、完成した作品を見て、源氏に対する思いにも変化が生じてきている。

「源氏がどうしていろんな女の人のところに行くのか現場にいたときには理解できなかったのですけれど、愛情に飢えていて寂しい部分があったんだと分かりました。撮影中はすごく否定的に見ていたけれど、他の女性たちとのやり取りを見て、初めて源氏の気持ちが理解できたような気がします」

今年は「デカワンコ」「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」とドラマ出演が続いたが、締めくくりに公開される初の時代劇「源氏物語 千年の謎」で新境地を見せた。

「長い髪で、こういう役柄もなかなかやれないと思うので、すごく貴重な経験でした。最初が平安時代で良かったなと思います」

既に来年3月3日公開の「ライアーゲーム 再生」も撮り終えている。さらなる輝きを放ち続けるだろう多部から、ますます目が離せない。

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