劇場公開日 2010年9月25日

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恋愛戯曲 私と恋におちてください。 : インタビュー

2010年9月22日更新
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深キョン主演最新作「恋愛戯曲」でも期待を裏切らぬ変身ぶり

深田恭子、椎名桔平が主演のコメディ「恋愛戯曲 私と恋におちてください。」が9月25日から公開される。劇団・第三舞台を主宰する劇作家・鴻上尚史が、過去に2度上演した人気舞台を映画化。「下妻物語」でキュートなロリータファッション、「ヤッターマン」でセクシーなボンデージコスチュームを披露した深田が、今作でも期待を裏切らない変身ぶりを見せてくれる。(取材・文:編集部、写真:堀弥生)

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恋をしていないとシナリオが書けない売れっ子脚本家の谷山(深田)が、TV局の落ちこぼれプロデューサー・向井(椎名)を相手に恋愛を強制し、なんとか締め切りまでに台本を完成させようと奮闘する姿を描く物語。深田は、「小悪魔的な魅力で男を振り回す脚本家の谷山」→「谷山が書く台本に登場する、脚本家志望の地味な人妻」→「人妻が書く台本に登場する、ゴージャスなセレブ作家」という現実と架空の3人のヒロインを演じ分けた。

「すごく新鮮で楽しかったです。脚本家というのは、大きな責任やプレッシャーを背負っている大変なお仕事だなと改めて感じました。谷山が、作品のアイデアが出てこなくて苦しみながらも、アシスタントに頼らずなんとか自分のなかからひねり出そうとする姿勢は素晴らしいと思いましたね。私自身、今までよりもさらに大切に台本を読まなくてはいけないと、襟(えり)を正す気持ちになりました」

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一流ホテルのスウィートルームに缶詰めになりながら、書いては消し……を繰り返す谷山。そんな谷山を励まし勇気づけ、会社では上司や他部署の権力争いに翻弄(ほんろう)される向井。TV局の内幕やドラマ制作の舞台裏がテンポよく描かれており、モノ作りに携わる人間たちの滑稽さと情熱が伝わってくる。

「脚本家の人がどうやって物語を生み出しているのか、いまだに疑問です。どこまでをプロデューサーが決めて、どこからが脚本家のオリジナルなんだろうって。女優の私は周囲の人にマネージメントしてもらって、台本を受け取って、要はまわりの方々にベースを準備してもらったうえで表現するわけですよね。でも、それをまったくゼロのところから作り出している人たちというのは、ただただ尊敬します」

鴻上監督が、自身の舞台作の中で最も映像化したかったという今作。メガホンをとった鴻上監督とは初タッグとなった。

「鴻上さんが舞台の経験を踏まえて映画化されるわけですから、ベストな作品になるだろうと思いましたし、それに私もかかわれるということがうれしかったです。鴻上さんはすごく熱い方で、シーンごとにそこにいる俳優と同じ気持ちになって演出してくださるんですね。だから、“カット!”っていう声のトーンも、その場面のテンションによって違うんです。私たちを作品の世界に力強くひっぱってくださいました」

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谷山から、シナリオとひきかえに無理難題を突き付けられる担当プロデューサーを演じた椎名とも、今回が初の顔合わせだ。

「椎名さんは、とらえどころのない方ですね。お芝居もたくさんの引き出しがあって、監督のリクエストに柔軟に対応されるんです。出来上がった作品を見て驚いたのは、撮影現場で一緒に演じていたときには気づかなかった、いろんな表情の椎名さんがスクリーンに映っていたこと。携帯電話の顔文字に例えるなら、椎名さんはそのバリエーションがたくさんある感じで、ほんとにすごいなあと思いました」

脚本家という役柄上、劇中ではパソコンの前に座り華麗なブラインドタッチを披露しているが、実は自宅にインターネットもつないでいないアナログ人間なのだとか。また、ひとつのことに集中して取り組むのも苦手だと笑う。

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「私、パソコンとはまったく縁がないんです。セリフを集中して覚えるのも不得意で、なんとなく覚えるようにしています。なにかをしている合間にぱっと台本を見て、また別のことをやったりするんです。レギュラー出演番組でピアノをひくために練習しなきゃいけないのですが、それも憂鬱なときもあって、通りすがりにピアノに触るような感じで練習します。必ず覚えるぞとか、必ず弾くぞって自分を追い込むのが好きじゃないんです。だから、いつも自分をだましだまし、台本に近づけて覚えるようにしています」

ふんわりとした雰囲気と、おっとりした口調が印象的な深田も、すでに女優歴13年。これまで、さまざまなドラマ、映画に出演してきた。いつも自分の想像を超えるような役が舞い込んでくるという深田にとって、忘れられないセリフとは何だろう。

「『to Heart 恋して死にたい』(1999)というドラマで、私が遠くにいる堂本剛くんに“愛はパワーだよっ!”ってさけぶシーンがあったんです(笑)。しかも、ちゃんと口に手をあてるように演出まで決まっていて。それがすごく恥ずかしかったけど、楽しかったのをよく覚えていますね。あと、セリフじゃないんですけど、郷ひろみさんの歌(『よろしく哀愁』)にある“会えない時間が愛育てるのさ”という歌詞も、なるほど! そうなんだろうなあと思っちゃいます」

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