「子供と観たい。」太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男 mammieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0子供と観たい。

2011年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

今週のおはシアは~

“太平洋の奇跡ーフォックスと呼ばれた男”ーをご紹介しました。

戦争映画。実はとても苦手なジャンルなのですが・・・。

調べてみたら、実在した人物、主人公の大場栄大尉は戦死しなかった。

と書いてあったので観に行くことにしたのです。

(とにかくハッピーエンドが大好き人間なもので~。)

太平洋戦争末期、日本兵すべてが玉砕したと伝えられていたサイパン島。

実は生き残って山にこもり、アメリカ軍に抵抗し続ける兵士たちがいました。

率いていたのは大場栄大尉。

アメリカ兵の捜索を頭脳作戦でかわし、彼らからフォックスと呼ばれた男。

終戦後も山にこもり続けるも、投降を決意します。

名誉の自決が賞賛されていた時代、アメリカ側に

「軍隊は上官からの命令が絶対」と伝え

司令官からの「山を降りよ。」との命令を促した彼。

部下を前に言った

「君たちは本当に立派に戦った。恥じることはない。生きて日本に帰ろう。」

の言葉には涙がこぼれました。

この映画はアメリカ兵からの視点で描かれています。

平和であることが当たり前の私たちに

当時の日本兵、民間人の気持ちを理解することは難しいですよね。

日本人に脈々と伝えられてきた精神や考え方。

それらを2年間日本に留学した経験のあるアメリカ軍大尉が

将棋の駒を使うなどしながら、解り易く説明しているんです。

この映画、私の子供たち世代の人達にも是非観てほしいと思います。

生まれた場所によって、また、同じ日本人として生まれながらも

生きた時代によって、こんなにも大きく環境が変わってしまうということ。

当たり前のことですが、改めて感じさせてくれる映画です。

私がもし、今日死んでしまったら。

きっと家族がキチンと葬儀の準備をしてくれて

綺麗に白装束を身にまとい、旅立つことが出来るでしょう。

でも戦場では、バタバタと銃弾に倒れ、埃にまみれてその場に放置される。

映画の中でも観ているのがとても辛い場面です。

最後の総攻撃の時の「突撃ーっ」の声で私は一気に涙があふれました。

大場大尉役の竹野内豊さん、大場大尉の持つ繊細さも上手に演じています。

私は作品の中に1人は目力のある役者さんを!と常々思っていますが

今回は部下役の山田孝之さんが頑張っていますよ。

唐沢寿明さんの肉体改造してまでして臨んだ演技。

ファンの方にはたまらないと思います。

アメリカ軍が日本人を投降させるために

日本を懐かしく感じるさせる歌をスピーカーを使い

山に向かって流すんですね。

“やしの実”を耳にした日本人たちが、皆手を止め

聞き入るシーン。グッときます。

音楽の持っている力ってすごいんだなぁ~。と実感します。

“太平洋の奇跡ーフォックスと呼ばれた男ー”

子供たちともう1度観たいと思っています。

星は~4つです。

先日、日本テレビのZEROという番組で

この映画に関連した特集を放映していました。

実際にバンザイクリフから飛び降りたものの、奇跡的に助かった姉弟が

サイパンを訪れてお話をされていたんです。

当時14歳だったお姉さんは助けられた時

弟さんに自分の着ていたランニングをかけてくれたアメリカ兵を見て

自分たちは間違ったことを教えられていたのでは・・と思ったと言っていました。

そして教育というのは本当に怖いもので、日本のTOPの人達には

しっかりしてもらいたい。とも言っていました。

戦争について、日本が何をされたか。だけでなく

何をしたのか。についても正しく伝えていかなければならないし

その上で私は、戦争はするべきではないんだよ。と

子供たちに教えたいと思っています。

mammie