劇場公開日 2011年11月23日

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「時代や技術が変わっても人の笑顔は変わらない」アーサー・クリスマスの大冒険 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時代や技術が変わっても人の笑顔は変わらない

2011年12月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

クリスマス映画なのでクリスマス前にレビューを投稿したかったが、
年末の仕事に忙殺されてる内にもう正月直前(笑)。
未見の方は、来年のクリスマス前に親子で楽しんでくださいな。

『ウォレスとグルミット』で有名なアードマンスタジオが手掛けた3DCGアニメ。
サンタ一家の心優しく、そしてとんでもなくドジな息子アーサーが、
たったひとつだけ配り損ねてしまったプレゼントを届ける為に
世界中を飛び回るファンタジーアドベンチャー。

もうオープニングからニヤニヤしてしまった。
イギリスの少女からサンタ宛てに送られてきた手紙に書かれていた疑問……
なんでサンタの基地はGoogleアースに映らないの?
高速でソリに乗ったらソリとトナカイさんが燃えちゃうんじゃない?
サンタさんも毎年大変ですねえ、あんまりムリしないでね。
みたいな。

「うーむ、歳の割に生臭いことを言う子供じゃ!」と愚痴のひとつも吐きそうになるが……
子ども達、そして毎年のサンタ問題に頭を悩ませる親御さん方、ご安心を。
少女の心配をよそに、サンタのプレゼント配送システムは
怒涛の進化を遂げていたのだッッ!!(爆)

詳しい内容は観てのお楽しみだが、
イーサン・ハントもMr.スポックも真っ青の超ハイテク大作戦が面白過ぎる。
夢があっていいですねえ。しかも、21世紀版にアップデートされた夢だ。

しかし子どもだけでなく、実はサンタたちも生臭〜いキャラクター。
配送ミスを「たかだか0.00…01%のミス」と片付ける、大企業気質の兄貴サンタ
美味しいトコは自分の手柄、不味いトコは現場の人間のせいにするパパサンタ
子どもの為でなく自分のプライドの為にプレゼントを配送しようとするじいちゃんサンタ

だが、「たった1人でも悲しい思いをさせたくない!」というアーサーのひたむきさが、
オトナ達の身勝手な心を変え、ばらばらだった家族の絆をも繋ぎ止めていく。
ラストの展開は笑わせつつも感動的だ。

僕自身を含め、ものづくりに携わる企業で働く人間にとっちゃ身につまされる話。
ローテクからハイテクに時代が変わっても、
大事なのは、自分の手掛けたもので笑顔になってくれる人がいること。
そして、その期待に答える為にベストを尽くす心意気。
自分のプライドや立場を省みずに誰かを喜ばせるって、スゲーかっこいいじゃない。

大人も子どもも楽しめる良作だと思います。是非!

<2011/12/11鑑賞>

浮遊きびなご