劇場公開日 2010年5月15日

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「生まれ生きることと"死"」エンター・ザ・ボイド ezioさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0生まれ生きることと"死"

2023年3月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

寝られる

今年17本目

日本が舞台の海外映画のなかでも当時の雰囲気を上手く切り取った作品
メインとなるストリップ劇場の外観等は過剰と言わざるを得ないく、他にもツッコミどころはもちろんだけどあるが
日本の文化をより誇張し煌びやかにした結果、さながらLSDの幻覚を思わせて趣のあるものとなっており、文字通りミニチュアや箱庭のような滑稽さも香り立つ

それ故に閉塞感が漂い、現実に押し潰されそうになりながらも僅かに抵抗し逃避する
異国の2人にはそれがより顕著に見てとれる

監督はテーマと演出が抽象的だが伝えたいことは明確なため苦痛なく観ることができた

幻覚と生命活動のイメージ映像は境界が曖昧になりストーリーとも噛み合って良いものだったが
さすがに最後のホテルの場面は冗長にも感じた

※特に意識せずギャスパーノエ監督作品を観ていたが、監督は『アングスト/不安』(1983年公開)に若き頃影響を受けていたらしい。特にカメラワークを絶賛しているインタビューがあった。監督の不自然だが没入感マシマシのカメラワークのルーツが解って納得した。この作品では"天国"からの視点とも重なりよりマッチしたものとなっている。

ezio