劇場公開日 2011年2月19日

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「80歳。枯れたディレクション。」ヒア アフター きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.080歳。枯れたディレクション。

2021年3月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

東北の津波から10年だ。

「死んだ身内が夢枕に現れた」という証言は、たくさん記録されており、本にもなっている。

肉親の声を聞いて、双方で安心をしたい。赦しを得たい。残された側の新しい出発の足がかりにしたい。文句があったのならそれも聞きたい。
自己肯定もほしい、
そう思うのは本当だ。
一緒に居た時間や、かかわった関係の深さがあればあるほど。

僕も、恐山に行った。(津波ではない、別件で。看病した身内のことで)。

遠かった。
道中、泣けて泣けて仕方なかったけれど、イタコの口寄せを聞いたとき、予想に反して「これじゃない感」にやられたものだ。
思った以上に、自分は自分の行為=看病に満足しており、やりきった感があったことを発見して 山を降りた。

別れてからの年月と、遥か青森の霊場までの道中にかかった時間が、いわば死別を消化するための“修行”期間だったのか・・それも必要なインターバルで、無意味ではなかったと思っているが。

恐山。そして青森の西海岸の仏ケ浦、おすすめです。

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クリント・イーストウッド、
来世に片足踏み入れている老監督が作る映画

80歳の作だ。

①降霊師の男と、
②津波で死にかかった女と、
③双子の兄を失った弟と。

この三者で物語は進む。
一卵性双生児の男の子たち二人が、ユダヤ系なのだろうか、あの表情も雰囲気も なんとも悲しい。

映画は、僕はイーストウッド御大に敬意を表して 贔屓目な観衆として本作を観るのだが、最盛期を過ぎた監督にとってはエピソードの取捨選択の力は衰えたと思う。
この③=双子のストーリーだけで映画は成立したのではないかと思われる。

⇒そう思うほど、残りの二人の存在が希薄だった。
70分ずつそれぞれを舐めるように撮り、最後にあの「愛と哀しみのボレロ」のごとく全員の対面に昇華させてはいけなかったのかな?

無理か?なぜなら、
誰も失っていないアルバイト降霊師と、死にかかった自分のことだけで頭がいっぱいの女性キャスターでは、彼らは脇役もいいところで、作品を支える重要な役どころにはなれないだろう。

脚本家がイーストウッドの足をひっぱったね。

それでも子役が凄かったので☆☆☆3つです。
ベッドをふたつ並べるシーンと、帽子を脱ぐ決断がとても良かった。

きりん
asicaさんのコメント
2021年3月20日

ベッドを二つ並べてくれた大人たち。日本でそれは出来ないのではないか(広さ的に)そう思いながら見ました。
おっしゃるとおり、双子メインだと格が上がったでしょうね。

asica