獄(ひとや)に咲く花

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獄(ひとや)に咲く花

解説

1854年、吉田松陰は海外密航を企てたという大罪で、長州藩の士分を収容する牢獄“野山獄”に送られる。ひとたび入れば生きては出られない地獄の牢獄として知られる野山獄は、長い幽閉生活で希望を失った者ばかりで溢れていた。しかし、常に前向きな松陰の姿に、彼らも少しずつ心を動かされていく。唯一の女囚・高須久も、短歌の集いなどを通じ、松陰との仲を深めていくが……。主演に近衛はな、前田倫良。原作は直木賞作家・古川薫の「野山獄相聞抄」(改題:吉田松陰の恋)。

2009年製作/94分/G/日本
配給:Thanks Lab
劇場公開日:2010年4月10日

スタッフ・キャスト

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(C) 2010『獄に咲く花』製作委員会

映画レビュー

3.5最後が蛇足

2015年3月30日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

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松井の天井直撃ホームラン

4.5限りなく5点満点に近い4.5点!!

2010年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

公開初日に行ってきました。

公開初日特典でしょうか?
書店で販売している原作文庫本を
無料でプレゼントしてもらいました(笑顔)

劇場は関係者も含め
中には紋付袴で来場された人もいてほぼ満席。

熱気に溢れる中、上映開始を待ちました。

☆彡     ☆彡

いやぁ、
あのラストシーンは美し悲しすぎ!
ラストシーンへのストーリーの運び方、上手すぎだよ!!

〈 現在なにがしたいのか、これからなにをするのかが
  大切であって、過去になにがあったのかは関係ない 〉

ここまで絶賛していると言うことは、
エンドロール中は感涙、客電点灯後は大拍手(笑顔)

0.5点減らしてしまったのは、
メインのお二人が頑張ってはいたし、
熱のようなものも伝わってきたのですが、
ちょっと物足りないかな、と感じましたので、
心を鬼にして4.5点にしてしまいました。

◇   ◇

メインのお二人の内一人。
映画初主演の近衛はなさん。
お父さまが目黒祐樹さんで、
こちらも初の親子共演です。

娘さんは演技をするので一杯で
父親を気にする余裕はなかったそうですが、
お父さんのほうは娘のことが気になって仕方なかったそうです。

舞台挨拶では、そんな撮影裏話も交えながら、
山口県ということで元首相の安倍さんの奥様まで登壇。

吉田松陰の末裔のかたの挨拶もあり、
いつもの舞台挨拶以上に華やかで、
まるでお祭りのような雰囲気に包まれていました。

◇   ◇

本編の感想ですが、
舞台が獄=獄中(獄中の敷地内は自由に動ける)ですから、
なかなか季節の移り変わり、時間の変遷を見せるのが難しい。

雪景色、桜、蝉の鳴き声

舞台でいうところの暗転のタイミングで
それらが挿入され、季節を感じさせるだけでなく、
ストーリーにメリハリとテンポを与える役割を果たしていて、
なかなか上手いな、と感心してしまいました(なんで上目線(苦笑))

あと、これは
韓国映画の得意技と私は勝手に思いこんでいるのですが、
今作主演女優を、どんどん美しくしていく演出が完璧でした。

最初は幽霊なみにどんよりとし薄汚れています。
それが吉田松陰と出会い、彼を心から愛することで、
自らの傷も徐々に癒され、やがては吉田松陰をも癒す存在になります。

愛が深まるにつれ
顔色もよくなり、やがては服装までをも気にし始めて、
「誰もわたしのことを女だとは思っていません」と言っていたのが
嘘のように、とても美しく芯の通った女性に変貌を遂げて行きます。

吉田松陰を、まるで母のようにピシャリと怒ったかと思えば
泣きながら、彼を追いかけていく、強さと弱さの対照的な姿。

心の大きな揺れ動き、そして対照的に、
ちらりと垣間見せる、心の小さな機微。

一人一人の人物がとても立体的に描かれていて
二人の姿を見ていると胸が痛くて苦しくてしかたがありませんでした。

そしてラストシーン。
わたしは大・大・大好き!!

彼の魂は夢にまで見た大海原へと旅立っていったのです。

☆彡     ☆彡

初と言えば、
ロンロコ、チャランコという楽器が
日本の映画では初めて使われているそうです。

どの音がその楽器の音なのかはわかりませんでしたが(苦笑)

先週の『ビバ!カッペ』(水戸市)
そして『獄に咲く花』(萩市)

今年も昨年の地方発信良作映画の流れが続いているようです。
次は『RAILWAYS』(島根県)5月公開にバトンタッチできるといいな(笑顔)

そして、この願いは実現しました(満面の笑顔)

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septaka

5.0名作です

2010年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

先日、有楽町スバル座で見た。

以前からとても楽しみにしていた映画で、見終わって期待を超える作品だった。
この映画はまさに名作である。久しぶりにいい映画を見た。今でも思い返しては涙が出てくる。

ストーリは萩・野山獄での獄中生活が中心で、吉田松陰先生と高須久の恋物語を描いたものである。
松陰先生が入獄する前の野山獄は暗い絶望的な雰囲気だったが、松陰先生が囚人を励まし、ともに学ぶことによって、獄が次第に明るくなっていき、皆希望に満ち溢れるようになっていくところが印象に残った。

映画の所々に出てくる松陰先生の言動がとても印象的だった。

「人間は磨けば皆光る原石であります」

「過去は関係ない。今をどう生きるかが重要である」

など、
今でも心にしっかりと刻み込まれている。

出演や演出なども良く、特に出演者は知らない俳優さんが多かったが、演技力が素晴らしく、完成度の高い映画だった。

僕は、松陰先生の純粋すぎる生き方が大好きです。先生の誠実で、勤勉で、かつ思いやりがあるところは、今を生きる日本人の多くが失いかけたものではないだろうか。効率性を重視し、物理的な豊かさを求めがちな現代人が、松陰先生をはじめ過去に生きた人から学ぶべきことは多いと思う。
この映画を見て松陰先生の言葉を忘れずに今後の励みとしていきたいと思う。

この映画をできるだけ多くの人に、できれば全ての日本人に見てほしい。
有楽町スバル座では、5/7まで公開される。

この映画を製作してくれたスタッフ、キャスト

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atom_1699

4.5。必殺シリーズの撮影監督をしていただけに石原監督の映像美は、冒頭からおお!と感動させてくれます。

2010年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 主演の前田倫良が地元山口新聞のインタビューで答えているように、一見するとこれは松陰の話ですよと言われない限り、表面的には牢獄内の出来事の話としか思えないところもあります。吉田寅次郎という一人の青年が野山獄の中であった出来事として描かれ、それが結果として松陰だったというかんじなんです。明らかに石原監督は、吉田松陰の偉人性を切り捨てて、幕末という時代に翻弄された吉田寅次郎という一個の青年の人間味あるところを描こうとして取り組んだものと捉えるべきでしょう。
 そしてその中核のエピソードを、松蔭に似つかわしくないラブストーリーに置き、さらにそれを獄の中という意外な場所で展開させることにより、映画的には興味をそそられる作品となったと思います。
 試写会場でも、松蔭の伝記的作品でもあるにもかかわらず、若い女性が目立ちました。恐らく主演の前田のルックスと、ラブストーリー仕立てが意図どうり受け入れられているのではないでしょうか。

 ただ監督の意図した寅次郎はやんちゃっぽい感じで、これが松蔭かと思うと軽いのです。主演の前田も文献で調べてきた吉田松陰像と監督のやんちゃっぽい寅次郎とのギャップは感じたようです。だから前田は、多くを読んだり見たりし過ぎた部分のではと自問自答し、その意味では「松陰先生像」で自身を縛ったのではと考えたようでした。そのイメージから抜けるのに苦労したようです。

 たまたま会場で本作品の前田プロデューサーと直接お話しすることが出来まして、大変不遜ながら、従来の松蔭像とかけ離れていないかと、率直に質問しました。
 前田氏は、松蔭の一面としては、本作のような人間味のあるところが多分にあったのだと解説してくれました。作品の松蔭については、地元の山口の研究家でも、非常によく実像を表現しているとお墨付きを得ているとのことです。

 ただ映画を松蔭伝として拘らなければ、すこぶるいい出来だと思います。必殺シリーズの撮影監督をしていただけに石原監督の映像美は、冒頭からおお!と感動させてくれます。獄中という背景としては動きようがないセットでの撮影だけに、ともすると単調になりがちな絵柄になりがち。そこを四季折々に、変化をつけて、多彩な表情を持たせたところは素晴らしいと思います。

 加えて、寅次郎に次第に思いを寄せる久子の表情の微妙な変化が素晴らしい。姦通の罪で野山獄に投獄された久子は、生きる望みもなく、日々を空しく生きていたのが、寅次郎と出会ってから、次第に顔に正気が戻り、恋する女の顔に変わっていくのです。
 久子を演じている近衞はなは初の大役ながら、いい仕事を残してくれました。でも、お父さんの目黒祐樹との共演のところでは、結構緊張したようですね。

 ちなみに野山獄内は出入り自由で、囚人同士自由に交流できたので、こんなラブストーリーが成立したのでした。

 ぐっと印象に残るシーンとしては、 松陰が野山獄を一度出てまた戻ってきたところで怒り散らして何も食べようとしない場面が出てきます。そこへ久子が説得にくるのです。松陰が久子に「あなたに、僕の何がわかるというのか」とくってかかると、久子から「わかります」と激しく一喝されるシーンがよかったです。情熱に任せて突っ走ろうとする松蔭を冷静に受け止めて支えようとする久子の気丈さが印象的でした。

 また、松蔭の台詞で久子に向けて「過去など関係ない、大切なのは、あなたが今何をしているか、これから何をするかが大事であって、過去にあるのではない。」という意味のことを語ったことや、同じ牢獄の囚人に身分など関係なく、学問こそがそのひとの偉さを図るのだと説いた言葉が、印象深く残りました。
 教育によって、人はどんな過去を背負っていようとも、いかようにでも変わっていけるものなのですね。

 但し本作には、吉田松陰先生としての魂がないが残念です。石原監督は、自分の理解する範囲でしか松蔭先生を描こうとしませんでした。そこが偉人伝の限界だろうと思います。本気で描こうとしたら、監督も切腹覚悟で本気にならないと、松蔭先生の熱血火のごとき情熱や大和魂の凄み、「威」というものを表現するべきでしょう。

 少なくとも、なんで松蔭先生が死に急いだか。なぜ吟味のお白州で、わざわざ時の老中間部詮勝の暗殺計画を告白したのか。維新の人柱となった松蔭先生のお気持ちを、もう少し忖度してほしかったです。
 国難の現代に活かすことを標榜しているのなら、なおさらです。

 その激しさの片鱗を、主演の前田は感じて、時折凄みある表情を見せていました。何かを感じたのに違いありません。それを演技指導で、やんちゃな寅次郎に戻してしまった監督の演出には、多いに異議ありです。

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