劇場公開日 2013年9月28日

「永遠の妖精は銀幕にて更に輝く」麗しのサブリナ 全竜(3代目)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0永遠の妖精は銀幕にて更に輝く

2016年10月24日
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鑑賞方法:映画館

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セノバにて当時、オードリー・ヘプバーン特集を組んでおり、今作はそのオープニングを飾る

前日のダイアナに引き続き、伝説のプリンセスに銀幕で再会できるのは映キチ冥利に尽きるだろう

同年『ローマの休日』で一躍スターダムに登りつめた勢いをそのままに、アン王女から一転、大富豪に仕える運転手の長女・サブリナという一般階級の娘を魅力いっぱいに振り撒いていており、誰もが一挙手一投足に釘付けと化す

特に今作はキュートな少女時代と、学校を卒業し成長した淑女の2パターンのヘプバーンの美貌に出逢えるため、ファンの間では『ローマの休日』を凌ぐ支持が未だ根強い

特に自慢のドレスを着こなし、憧れの一族のダンスパーティーにエスコートされる時の華麗なる出で立ちは、映画史に残る眩しさを放つ

サブリナは御屋敷の御曹司でプレイボーイのウイリアム・ホールデンに恋心を抱いており、父親以外の使用人仲間はみな彼女を応援するが、身分の違いゆえに富豪一族は2人の仲を苦々しく思っている

たまりかねた兄のハンフリー・ボガートが邪魔をしようとするものの、掛け合ううちに彼もサブリナに恋をしている事に気付く…

そんな奇妙な三角関係が軽快な台詞回しでテンポ良く進む

階級社会独特の陰湿な世界観は一切無い洗練された会話劇の面白さこそ、ビリー・ワイルダーの真骨頂であり、この持ち味は後の代表作『お熱いのがお好き』『アパートの鍵貸します』etc.でも遺憾なく発揮、ファンを歓喜させた…って今さら説明しても、ウンチクにもならぬだろう

つまり名作は先ず観なきゃ何も始まらないってぇ事である

因みに、来週は『パリの恋人』

更に大人びたオードリーの美貌を堪能できる作品で、しかもカラー

早くも来週が待ち遠しくて堪らない秋の昼下がりに、短歌を一首

『月の庭 かざす指先 じらす夜 グラス浮つく 車庫のそよ風』by全竜

全竜(3代目)