「過小評価され過ぎ、単なるモンスター映画にあらず」プレデターズ レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)
過小評価され過ぎ、単なるモンスター映画にあらず
プレデターシリーズはテレビ放送を見る程度。今作もレンタルで観賞。一回目はそれなりに楽しめる作品という印象とバーサークプレデターを見て初めてこの異質な生物に恐怖感を覚えることが出来た。しかし二回目のテレビ放送での観賞で今作の奥深さに気付き唸らされた。
この作品が今までのシリーズと一線を画するのは、まさにプレデターという人間とは違う生物を通して人間自信の恐ろしさを描く構成となっているところだ。
今までのシリーズと一見似たような構成の本作。しかしシリーズ中、突出しているのは主人公のキャラクターだ。
エイドリアン・ブロディ演じるロイスは異星に拉致されたメンバーの中でもいち早く異変を察知し、狩人であるプレデターの心理に気付き、彼らの上を行く動きを見せる。
彼は言う、自分ならこうするからだと。まさに彼はプレデターの考えを察知し、その上を行くのだ。だからこそ、この絶対的不利な状況下で他の仲間が次々と死んでゆくなか生き延びられるのだ。
そんな彼に対して仲間の女が呟く。そうまでして、と。瀕死の仲間を囮にしてプレデターに罠を仕掛けようとするロイスに呟く。その姿は残虐なプレデターたちと何ら変わらないのだと、女は呟くのだ。今作の一番のシーンはこの場面であろう。
人間の残虐さとプレデターのそれとは何も変わらないのだと気づかされる。プレデターというモンスターを通して人間の恐ろしさを見事に表現した作品だ。
ところがそんな自分だけが生き延びようとするロイスが何故か翻意して、逃げずに舞い戻り女を助け、バーサークプレデターを倒す。この辺りは安易なご都合主義的ではある。しかし、プレデターを倒したところで新たに舞い降りてくるパラシュートを見つめ、終わる絶望的なラスト。シリーズ中最も個性ある出演者の面々等、一つの映画としてかなりのレベルの作品である。見る者によって評価されない映画のひとつと言えよう。
宇宙船に乗らず戻ってきたのは私の推測ですが、
ロイスはあの船に爆弾が仕掛けられてる、もしくは起爆装置があったと読んでいたのではないでしょうか?
下級のクラッシックプレデターが上位のプレデターの惑星にある船を自由に使えるはずがないのでは?と私は思っております。