劇場公開日 2010年4月10日

  • 予告編を見る

「純度100パーセント、ロックウェルを堪能すべき快作」月に囚われた男 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0純度100パーセント、ロックウェルを堪能すべき快作

2019年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

ダンカン・ジョーンズが長編映画デビューを果たしたSF作品。多くをCGが描き出してしまうこの時代にあえてミニチュアを多用している点、近未来の話しながら普遍的なテーマが介在している点など、この手のジャンルのファンのみならず、幅広い観客を惹きつける魅力に満ちている。

企画立ち上げ時のエピソードも興味深い。もともと他の映画の主演にサム・ロックウェルを据えようと、熱心に口説き落としにかかっていたジョーンズ。だが話はまとまらず「もしも君がSFを撮る機会があれば、ぜひまた声をかけて」と告げられたのだとか。その言葉を真に受けて、彼はすぐさま前々から着想していたSFを一気に書き上げ、その脚本をロックウェルに届けたのだそう。まさにロックウェルのために書かれたラブレターのごとき一本というわけだ。主演、ロックウェル。共演も、助演もロックウェル。これほど彼の魅力が純度100パーセントで堪能できる作品も他にない。

コメントする
牛津厚信