劇場公開日 2010年12月4日

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「現代的に言うならば会計監査と事業再生だが、質素で堅実すぎる」武士の家計簿 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0現代的に言うならば会計監査と事業再生だが、質素で堅実すぎる

2014年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

難しい

総合55点 ( ストーリー:55点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )

 藩の会計監査をして不正を見つけて、家計の財務分析をして破綻回避のための新たな借金返済計画を作成し質素倹約に励む。やっていることは現代の会計事務所と似たり寄ったりだが、何もかも丼勘定で統治がお粗末な時代であり、また武士の家としての体面がゆえに一見不合理な経費の膨大な借金があったりして家計は我慢の連続。自分の職務領域を算用者として定めて、人生もそこから踏み出すことなく頑なに厳密な生活をする生き方は、ある意味では藩に仕える武士の一つの手本である。
 しかしそれは同時に動乱の世の中の侍としては観る方にとって退屈でもある。ひたすら我慢の堅実な生活の描写の連続は、物語に動きがなさすぎて観ている側にも我慢を強いる。家庭の話ばかりではなくて、算用をもってどこまで藩や新政府に貢献してきたのかくらいもっと具体的に描いてほしい。

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Cape God