劇場公開日 2010年10月16日

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「事破れた名も無き者たちの、事件後のただの儚い逃亡劇になっている」桜田門外ノ変 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

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3.0事破れた名も無き者たちの、事件後のただの儚い逃亡劇になっている

Cape Godさん
2013年3月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:55点
ストーリー: 45
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 75
音楽: 70

 歴史の大きな事件を題材にしているわりには、歴史の大きなうねりについての焦点が薄い。その事件にかかわった歴史上は名も無きたくさんの人々の、事件後の彼らの人生の最後が次々に細切れに出てくるだけでは、この事件を通してこの映画はいったい何が言いたかったのだろうかと疑問に感じる。それもやたらと綺麗に儚く数多く描くだけなので、人の生や死の空しさだけが薄く残るだけ。圧倒的上下の身分関係社会の中、この時代においてはお上に逆らう凶悪テロリストたちであった彼らだが、何故か大人しく善良で紳士的な人たちばかりでもある。同時代の現実の歴史における桂小五郎のように生きるために乞食に身をやつして逃げるわけでもなく、ただの旅人のようにたいした緊張感もなく行動する。現実を無視して、単に死を美しく描こうとし過ぎではないですか。尊王攘夷思想も桜田門外の変の歴史的意義も、この作品の中ではたいした重要性がない。

 ウィキペディアによると、
 「「水戸藩開藩四百年記念」と銘打ち、茨城県の地域振興と郷土愛を目的に時代劇として実現した県民創世映画。」
エイチテイーティーピー://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E7%94%B0%E9%96%80%E5%A4%96%E3%83%8E%E5%A4%89#.E6.98.A0.E7.94.BB
 だそうで、要は茨城県が作った水戸藩や事件を正当化して描きたいがために作られた御用映画なのだろう。だから水戸藩士が良く描かれている。でもそれは映画として一般から見ると、重要な部分にあえて触れず歪曲されているように見える。しかし何故このような映画になったのかはこれで納得できた。

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Cape God
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