劇場公開日 2009年10月28日

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「一度くらいは彼の公演を観に行きたかった」マイケル・ジャクソン THIS IS IT Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5一度くらいは彼の公演を観に行きたかった

2021年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:70点 ( ストーリー:5点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:85点|音楽:75点 )

 最初は世界中から集まった踊り子の選抜から始まったので、そのような個々の人たちのことも含めて追ってくれるのかと思ったら、選抜はあっさりと終わって後は全体の舞台での練習風景ばかりになった。マイケル本人ですら個人としての扱いはなくて舞台で歌って踊ることが中心で、時々演舞の指示をしているくらい。舞台製作中心の記録映像だった。
 ただし彼の舞台は非常に水準が高いので、それはそれで楽しめた。そして歳とっていてもマイケルの動きと技術と高さには驚いた。世界中から集まった踊り子たちに全く劣らないどころかさらに上をいくのは、どういう鍛錬を積んでいるのか。自分は年齢を重ねるごとに明らかに体が衰えているというのに。
 このような舞台の制作と練習は感情をぶつけながら進めていきそうなものだが、マイケルの指示はとても静かで彼のいつもの喋りのままのようだし、またマイケルの指示を聞いて反応する舞台監督の喋りも冷静で論理的なのが印象に残った。もっとこういうものは情熱と感情が迸るものかと思っていた。

 80年代の映像化が進んだ時代の潮流に乗り、音楽に独自の高水準の踊りと派手な映像の演出を取り入れることにより、音だけでなく視覚的にも楽しめる素晴らしい娯楽を最も上手く提供し世界的な花形になったマイケル。
 そんな彼の舞台製作が進んでいながら、突然の彼の死により全てが消え去った。この映像作品を観て、消え去ってしまったものの大きさに気が付かされた。制作過程を映し出したものなので、舞台全体の公演としての迫力は正直ないが、それでも十分に面白かった。
 特別マイケル・ジャクソンが好きだったわけではない。だがこれを観て、公開されることが無かった彼の舞台がとても勿体ないと思えた。一度くらいは彼の公演を観に行きたかったと思わさせられた。

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Cape God