2009年公開。
1989年に40歳で亡くなった松田優作の死後20年目に製作されたドキュメンタリー映画。
著名な業界人たちが登場し、インタビュー形式で「松田優作」を語る。
順不同で、
浅野忠信、仲村トオル、丸山昇一(脚本家)、香川照之、吉永小百合、松田龍平、松田翔太、黒澤満(プロデューサー)、アンディ・ガルシア、森田芳光(映画監督)、宮藤官九郎、筒井ともみ(脚本家・大学教授)などなど。
錚々たる顔ぶれだ。
松田優作の主な出演作品(『太陽にほえろ!』の全力疾走場面や、『野獣死すべし』の ”リップヴァンウィンクル” など)のダイジェストをはさみながら、
◆製作時のエピソードトーク、
◆各人の ”松田優作論”
を拝聴する構成になっている。
たとえば、、、
松田優作に「父性」を感じる、
といったのは香川照之。
私は、
松田優作を表すひとことが「父性」とは思わない。
香川照之と松田優作が、どれだけ親しい存在かは知らないが、
「わたしだけが本当の松田優作を知っている」感
が、話す姿全体から横溢していて、正直、見苦しかった。(香川照之ファンの方、申し訳ない!)
本作の製作者の意図なのだろうが、
・松田優作の肉声、
・共演者やスタッフが語る具体的エピソード
よりも、
・松田優作という ”人物像” を語る尺が長い。
ゆえに、見る側は抽象的でわかりづらい。
特に、
「オレ(ワタシ)は、他の人の知らない松田優作を知っている」
と考えている人(前述の香川照之、森田芳光など)たちの話は、表現も独特で、わざとわかりにくく話ししているのかと訝ってしまう。
松田優作ファンでない人に、彼を知ってもらう効果は少ないだろうし、それを狙って作ってないのは理解できた。
印象的だったフレーズをいくつか書き留めておく。
(一言一句、正確なわけではない。悪しからず。)
「マイルス・デイヴィスみたいに進化したい、と思っていた。優作も同じように高みを目指してた」
森田芳光
「『家族ゲーム(森田芳光監督作品)』も、ある意味アクション映画だと思うんですよ」
宮藤官九郎
松田優作は、出演した作品の中に生きている。
残念ながら、
このドキュメンタリーを見ても、彼のスゴさやカリスマ性は伝わってこない。
以上は私の感想です(笑)!