劇場公開日 2010年7月17日

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「てんこ盛りにいろいろな要素を失敗を怖れず挑戦し、見事に玉砕した仕上がりとなりました。」シュアリー・サムデイ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0てんこ盛りにいろいろな要素を失敗を怖れず挑戦し、見事に玉砕した仕上がりとなりました。

2010年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 本作のテーマが、『失敗を気にするな』というもの。そんな小栗監督が、失敗を肥やしにするというスタンスで取り組んだ作品だけに、随所にあり得ないという現実感を超越したシュールなストーリーが満載。『ソラニン』のように、6人の同窓生の青春群像劇として、テーマ曲の「シュアリー・サムデイ」(「いつかまた」という意味。)につなげればいいのに、だてに数多くの映画作品に出演し、数多くの名場面に遭遇して、俺だったらこう撮りたいとモチベーションを暖めてきただけに、てんこ盛りにいろいろな要素を失敗を怖れず挑戦し、見事に玉砕した仕上がりとなりました。

 だいたい冒頭からして、学園祭中止に腹を立てた主人公グループは、学校に立てこもり、学園祭中止を覆さないと校舎を爆破するといって、手違いで本当に爆破してしまうのです。当然犯行に関わった生徒は少年院送りとなるはずが、高校退学だけで済んでしまったのがヘンだと思いました。

 この高校爆破がきっかけとなって、3年後に偶然再会したメンバーが事件に巻き込まれます。それはヤクザになったキョウヘイが、タクミの目の前で組の資金の3億円を奪われるというものでした。
 タクミが店番するバーまで乗り込んだ、キョウヘイを追って乗り込んだ組の親分の台詞が余りに理不尽です。その大金を翌日まで払わなかったら、タクミたちグループの家族友人全員皆殺しだというのです。
 ここから学園祭で歌えなかった曲をのライブを目指す青春バンド劇かと思っていたのが、サスペンス・アクションに大変身します。

 タクミたちは、現金を奪った謎の女性を追いかけるうちに、その人物がかつて小学生時代に母親ではないかと尋ねていった憧れの人だったことが分かり、その女性が自分たちの仕掛けた校舎爆発の影響で運命を狂わさせられたことを知ります。
 おかしいのは、女性の行方を追っているときでも、人に命令しておきながら、組員が追っかけてくることです。まるでそういう絵を撮りたいから、理不尽なシーンを繰り返しているとしか思えませんでした。
 さして組のヤクザに捕まった主人公グループは、公衆の面前でリンチに合います。拳銃で殺されそうになるのに、誰一人周囲の通行人は警察を呼ぼうとしません。
 そんなことより、タクミの父親は元暴力団担当の刑事。いくらオヤジと不仲とは言え。そんな深刻な事態に陥ったなら、店に乱入された時点で、連絡するはず。

 切羽詰まったメンバーたちは、落とされたあげく、3億円の資金を確保するため銀行強盗まで実行に移してしまいます。刑事の息子なんだから、どうしてそっちを思いつくのか。父親に相談出来ないのかと苛立ってしまいました。
 父親に相談すれば、10分もかからず平安なエンディングが迎えられる筋書きだったのです。

 小栗監督の役者仲間が多数参加しているので出演陣は大変豪華です。小栗監督が主演指名した小出恵介は同年代の俳優では一番芸達者なだけに、激しい感情の切れ方や早口の機関銃のような台詞回しが見事決まっています。青春群像劇としては、個々のキャラも立っていて悪くなかったので、脱線しなければよっかったのにと残念でなりません。

 とにかく2時間しらけばっなしで、早く終わればというような作品でした。終わってから試写会会場に深いため息が充満しておりました。

 ところで、エンドロール後にもワンシーンあります。本編で台詞に出てくる「異性変換器」を試そうとするシーンですが、特にどうってことはありませんでした。

流山の小地蔵