劇場公開日 2009年10月9日

  • 予告編を見る

「【重い病を抱える人々と彼らを支える人々には平伏するしかないという当たり前の事を強く再認識させてくれた作品。家族一人ひとりの”様々な葛藤”もきちんと描いた作品でもある。】」私の中のあなた NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【重い病を抱える人々と彼らを支える人々には平伏するしかないという当たり前の事を強く再認識させてくれた作品。家族一人ひとりの”様々な葛藤”もきちんと描いた作品でもある。】

2020年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

ー哀しくも、美しい素晴らしき作品である。”生”の素晴らしさを見事に表現しているし、家族の結びつきの描き方も、素晴らしい。-

■不治の病を患っている長女ケイトの家族、フィッツジェラルド家の人々
 ・母、サラ(キャメロン・ディアス:あのシーンにはビックリしたし、不覚にも・・。)
 ・父、ブライアン(ジェイソン・パトリック:心優しき消防士)
 ・兄、ジェシー(エヴァン・エリンソン:幼いころ、失語症に・・)
 そして、
 ・二女、アナ(アビゲイル・ブレスリン:ケイトの”ドナーの子”として、誕生。臍帯血を姉の治療に使った事を始めとして、数々の治療に”関わる”。
そして、”勝率90%”の弁護士、アレクサンダー(アレック・ボールドウィン)”を訪ね、裁判を起こす。

ー物語は、ケイトの病状の様子を過去、現在を行き来しながら、取り巻く家族の姿も効果的に描かれつつ、進む。ー

<以下、少しネタバレあります・・>

■沁みたシーンは数々あれど・・
 1.病が進み、自分を責めるケイトの姿。(何にも悪くないのに・・)
  ・ジェシーは両親から構って貰えず、失語症に・・。
  ・パパはママを失った・・。(娘の病状を巡って諍いが絶えない)
  ・ママは全てを失った・・。(弁護士を辞め、看病に徹する)

 2.アナが裁判を起こした後、12歳の娘を飲酒運転の車により失った女性判事とアナの会話。アナから娘を亡くした時の事を聞かれ・・。
ーアナはある事を確かめたかったのだ・・、と後半気付く。-

 3.同じ病を抱えるテイラー(トーマス・デッカー)とケイトの恋のシーン
  ・”抗ガン剤の味がする”キス
  ・一緒にダンスパーティーに行く事になり、盛装をして待つテイラーの前に現れた階段を下りて来る”美しき”ケイトの姿。幸せそうな家族。父のもとに来て、”大好き”と囁くケイト。

 4.サラの大反対の中、ケイトを含め家族をビーチに連れて行くブライアン。そして、後から来たサラは嬉しそうな家族の姿を見て、優しく夫に唇を寄せる。
  ーブライアン、家族が揃った最後の思い出を作りたかったんだよね。-

 5.ケイトの”ドナーの子”である、アナが裁判を起こした”真意”が分かるシーン。
  ーここは、本当に参った・・。涙腺が・・。-

 アレクサンダー弁護士がこの無謀ともいえる裁判を引き受けた理由も明確になる・・。
 それは、自らの病とともに、アナに対し”君の勝訴だ!”と書類を渡すシーンで、
ー彼こそが”アナの苦しみを理解し、アナのために戦ってきた”事が良く分かるからである。ー
 アレクサンダーの言葉に答えるアナの”勝率90%だもんね!”という言葉も良い。

<ケイトがサラに渡した”わたしのすべて”ノート。そこには、家族との多くの写真とコメントと共に、”病気の私を守る天使”の言葉が・・。>

■家族が、新しい一歩を踏み出すシーンを映し出したラストも素晴らしい。

<ケイトこそ、フィッツジェラルド家の天使だったのだ。そして、彼女を健気に正に体を張って支えたアナを始めとしたケイトを支えた多くの人達も皆、天使だったのだ・・、と感じた素晴らしき作品。>

NOBU