劇場公開日 2009年6月13日

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「危険な綱渡り」マン・オン・ワイヤー SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0危険な綱渡り

2011年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

興奮

正直、あまりこのようなタイプの作品を観た事がない私にとってもこの映画を観る事自体が挑戦でした。エンドロールが終わり劇場を出た瞬間、私の頭の中で“この程度の作品か・・・”とか“アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門は大した事ないな”といったことを考えていました。しかし、時間が経つにつれこの作品が何を言わんとしているか等いろんなことを考えているうちに“待てよ、意外といい映画だったのかもしれない”と思い始めたのです。そう、この作品は考えれば考えるほどよくなっていくそんな作品だと思います。

舞台は1974年
大道芸人のフィリップ プティはある1枚の写真を観た瞬間にワールド・トレード・センターの2つの塔を1本の綱を張って渡る計画を思い付き、その計画を成功させる為に地道な特訓や準備を開始します。本作はプティ本人のインタビューはもちろんこの事件の関係者の証言や事件当時の貴重な映像を交えながら描いた作品です。

注目は徐々にベールが剥がれてゆく計画の中身とクライマックスシーンの演出です。特にこの計画の準備段階についての詳細が明らかとなるのですが、その描き方がまるでサスペンス映画を観ているような緊張感に包まれていてお見事といった感じでした。私としてはあの辺りの描き方が好きでした。

それから、印象的だったのは映画が架橋に入り何か派手な演出でもあるのかと思いきや、ある名曲が流れてきて、その曲の使われ方と映像が絶妙にマッチしていて私の胸が何故かキュンとなってしまったのです。今でもあのシーンの事を考えると何とも切なくなってしまいます。何の曲かは本編を観てのお楽しみですが、ヒントは“TBC”です。

この作品に弱点は特にないのですが、私の映画を選ぶ基準の一つである“俳優の演技”がどうのこうのという問題ではないとわかっているのですが、何故か物足りなさを感じました。そして、私自身がこういったドキュメンタリー作品を数多く観ていないのでこの作品が“最高傑作”かどうか判断できないのも事実です。

しかし、私にとっては貴重な体験となりました。
命を懸けてでも挑戦したい何かを見つけることが出来たぷティは本当に幸せ者だなぁ~と思いました。私も死ぬまでにはこういった何かが見付けられたらいいのですが、その辺は難しいですね。まあ、そんなことを考えさせられた良い作品だと思います。機会があったら是非!

SAOSHIーTONY