劇場公開日 2008年11月22日

俺たちに明日はないッス : 映画評論・批評

2008年11月18日更新

2008年11月22日よりユーロスペースほかにてロードショー

17歳、若気のいたりを思い出してしみじみ赤面

ヒロインがレイプされるケータイ小説がベストセラーになり、生み捨てに罪悪感もない野良妊婦が出現と小耳にはさむにつれ不安になる今どきの若者の性行動。売春を援交と美化したあたりから「なんか間違ってないか」と感じていたが、そんな不安を一蹴する正しい性春映画が登場した。

主人公は、17歳の高校生3人組。「やりて~」が口癖の比留間とちょっとイケてる峯、パシリのデブ安藤の恋と童貞喪失がメインテーマだが、ブサ顔で異彩を放つ柄本時生ほか全員がどこにでもいそうなのがまずポイント高い(これが山Pや赤西だったら、童貞ってウソだろうとなるので)。そんな等身大の少年たちが雰囲気に流されて押し倒されたり、巨乳女子に弄ばれたり、はたまた好きな女子に優しくできない小学生レベルのメンタリティで窒息しそうになったり。下半身でしかものを考えられないのに、意外にナイーブな童貞少年のもどかしさがおかしくも愛しい。はからずも彼らを翻弄する女子が大人っぽく、ときには計算高さすら感じさせるのと好対照だ。恋のライバルである教師を殴りつけ、情けない下半身に喝を入れるために全裸で海に飛び込むといった「ザ・青春」な場面を正々堂々と取り入れたタナダユキ監督の演出も好印象。大人になると17歳のころを思い出すのも気恥ずかしいが、若気の至りを経たからこそ今があるとしみじみしてしまった。

(山縣みどり)

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