「これは、私の事件（ヤマ）ですから。」相棒シリーズ　鑑識・米沢守の事件簿　しゅうへいさんの映画レビュー（感想・評価）

　「相棒」スピンオフ映画シリーズ第１作。

　DVDで鑑賞。

　原作(ﾊｾﾍﾞﾊﾞｸｼﾝｵｰ「鑑識・米沢の事件簿」)は既読です。

　"名前が同じで、顔も瓜二つの元妻"が結びつけた似た者同士―警視庁鑑識課・米沢守と千束署刑事課・相原誠が即席コンビを組み、警察組織の抱える闇が絡んだ事件の真相に迫る！

　シリーズ屈指の人気キャラクターである米沢さんを主役にしたスピンオフ映画を製作すると知った時は、ついに「相棒」も「踊る大捜査線」みたいになるんだなと思いました。
　本編の映画化に続いてスピンオフも製作されるなんて、「相棒」も名実共に国民的ドラマになったんだなと、ファンとしてはとても嬉しく、非常に感慨深かったです。

　テレビシリーズで何度か言及されていた米沢さんの別れた女房のエピソードを膨らませた原作を読み、映画館には行けなかったけれど、準備万端でDVD発売を心待ちにしていました。
　観て一言。映画としてではなく、スペシャルドラマで放送した方が良かったんじゃないかなと思いました。原作を読んだ時に危惧していたことですが、予想通り映画的な迫力は皆無で、大画面でやる意味はなかったのではないかな、と…
　ですが物語は面白くなかったわけではなく、原作を読んでいても、自殺か他殺か、二転三転する事件捜査はミステリーの醍醐味があったし、米沢・相原コンビの織り成すドラマも見応えがありました。原作からの犯人変更にも驚かされました。

　米沢さんのプライベートが掘り下げられているのがとても興味深くて面白かったです。自宅が初登場し、ドラマでは描かれたことの無い私生活を垣間見ることが出来ました。予想以上にオタク度が高い部屋に共感を覚えました(笑)。
　雑誌の付録の鑑識セットで指紋検出しちゃうなんてすごい！―てかその付録自体もすごい…。それに弾き語りの路上ライブまでしていたなんて！―いやはや多彩だなぁ…

　花の里での熱い決意表明―「これは、私の事件（ヤマ）ですから」―に感動しました。行き詰まった時、特命係の力を借りたくなるのをグッと堪え、相棒と共に事件を解決しようとする姿が男らしかったです。いつもより凛々しく感じました。

※鑑賞記録
2010/12/26：日曜洋画劇場特別企画
2012/08/19：日曜洋画劇場特別企画
2013/06/02：日曜洋画劇場特別企画
2014/10/12：日曜洋画劇場特別企画
2021/08/21：TELASA

※リライト（2021/01/06）
※修正（2021/08/21）