劇場公開日 2009年1月31日

  • 予告編を見る

「園子温最高傑作」愛のむきだし 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0園子温最高傑作

2020年3月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

興奮

映画の所要時間が4時間と長く、最初はとても驚きましたが、この長さだからこその壮大なストーリーにどんどんと引き込まれていきました。
序盤、タイトルバックまではユウの物語で後ろで流れるボレロが印象的で良かったです。
奇跡が起きてからのタイトルバック後はコイケ、ヨーコの物語へと続き、このまま人物紹介的に進むのかと思ったら、そこからは普通の進み方でした。
性と聖の狭間で揺れるユウの姿は思春期そのものといった感じでどこか共感が持てます。
どの登場人物も最大級にクセが強く、体当たりの演技が本当に素晴らしかったです。
特に、安藤サクラさん演じるコイケはインパクトが強烈で、板尾創路さんのアレをへし折り、ちょんぎるシーンは彼女にしかできない狂気が見られたように思います。
ヨーコ役の満島ひかりさんもアクションなどがめちゃくちゃかっこいいいなかで、時折現れる乙女な部分が非常に可愛らしかったです。
エログロ要素かなり強めですが、何故か爽快感を覚えてしまうほどで、それなりに観やすく、長かったものの途中で飽きることはありませんでした。
実話と聞いて信じられなかったので調べてみると、新興宗教にはまった妹を助けるというところが実話で、そこに園子温監督が様々な要素を付け加えてできたようです。
監督自身、新興宗教に入信してみたとかみないとか…
とにかく237分間ずっと衝撃の連続で爽快に物語が進んでいき、本当の愛とは何か、「沈黙 サイレンス」でもそうだったように、信仰とは何かについて考えさせられるとても良い作品だったと思います。

唐揚げ