「清々しい、競争社会」ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢 カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0清々しい、競争社会

2008年10月14日

知的

ブロードウェイの舞台に立つ為には、
凄まじい戦いがあるのです。
最初は3000人の応募者の選考から始まります。
3000名もいるのに、全員に機会がちゃんと与えられます。
でも、これだけ大勢の中から合格できるのは
ひと目で目立つだけの実力が必要なのでしょう、ね。

やがて2次選考、3次選考と進んでいくと、
個々人の適性が吟味され始め、どの役がふさわしいか
と言う目線で評価され始めます。
その役、たとえばサラという役
にふさわしいと判断された数名が
その役を争います。
そんな争いを数ヶ月続け、19名の出演者を決定するまでに
8ヶ月の歳月をかけるのです。

凄い競争、ただただ、そういわざるを得ません。
選ぶ側も当然の事ながら、一人だけの判断でなく
数名で選考していきます。

最後の決定の、その最終選考が凄いのです。
飛びぬけて上手く、誰もが納得の人選も有ります。
本当に紙一重で、どっちでもいいんじゃない
と思える人選も有ります。
そして、最初はこっちの方が上だと思っていたのに
数ヶ月の選考の間に急激に伸びる人間も出てきます。
中間選考で、光り輝いていたのに、
最終選考で、その光を失い、8ヶ月前の演技をもう一度と
声をかけられる人もいます。

兎に角、温情で選考過程をうやむやにするような、
そんな不謹慎な選考など微塵も無く
戦いも、相手の足を引っ張るのではなく、
如何に自分の最大のパフォーマンスを見せつけるかと言った
クリーンな戦いだから、
その戦いは非常に清々しいのです!

カサキショー