劇場公開日 2009年2月7日

  • 予告編を見る

「【”自分が”成長”していく中、優しき人々は死んでいく・・”人間の善性に育まれた男の人生を描いた作品。現在では、大スターになった俳優さんも多数出演しています。】」ベンジャミン・バトン 数奇な人生 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”自分が”成長”していく中、優しき人々は死んでいく・・”人間の善性に育まれた男の人生を描いた作品。現在では、大スターになった俳優さんも多数出演しています。】

2021年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

悲しい

知的

幸せ

ー 劇中、デイジー(ケイト・ブランシェット)と、ベンジャミン(ブラッド・ピット)が交わす、”永遠などない・・””永遠はあるよ・・”と言う言葉が印象的だ。ー

■本作の魅力<Caution! 今更ですが内容に触れています。未見の方は一端、ここまでで・・。>

 ・冒頭、老い瀕死のデイジーに娘のキャロラインが”ある男”の日誌を読みながら、その男の人生が語られる。
 そして、その男と、デイジーとキャロラインの関係性が徐々に明らかになる作品構成の妙。

 ・”生まれた時は老人、そして徐々に”赤子”の戻っていく男の人生”と言う、奇抜な作品設定を無理なく見せる、メイクアップ陣の技術力。
ー 久しぶりに鑑賞したが、ブラッドピットの青年の姿など、どのように撮影したのか・・ー

 ・醜い赤ん坊として生まれ、捨てられていたベンジャミンを躊躇うことなく引き取る黒人女性クイニー(タラジ・P・ヘンソン)の善性。

 ・そして、ベンジャミンは幼きバレーダンサーを目指すデイジー(エル・ファニング)や、船乗りの全身タトゥのマイク船長の話や、明け方まで話し込んだエリザベス・アボット(ティルダ・スィントン)の英仏海峡を泳いで渡ろうとした話を聞き、”世界は広い”と目覚めていく過程。
ー 後半、チラリと年老いたエリザベス・アボットが偉業を成し遂げたシーンがTVに映る。ー

 ・第二次世界大戦後、生き延びたベンジャミン(26歳)が、久しぶりに生家に戻ると、快く迎え入れてくれる、母クイニー。そして、美しく成長したデイジーとの再会。皆、彼に優しい。
 そして、自分を捨てた父は、”ベンジャミン、君は私の息子だ”と、とうとう名乗るボタン作りで成功したバトン氏。
ー 自分の行いを悔いていた、バトン氏は、真実を告白し、全ての財産をベンジャミンに遺し、亡くなる。ー

 ・デイジーと結婚し、娘キャロラインも生まれ、幸せ絶頂の仲、ベンジャミンは家を出る。
ー 自分の行く末を考えての事だが、切ない。だが、彼が残した日誌から多数出てくるキャロライン宛の、父としての愛溢れるハガキは、心に沁みる。ー

 ◆若き、マハーシャラ・アリ(初見時、分からず‥、と言うか彼がスターになったのは後年である。)、エル・ファニング(可愛いなあ)、ティルダ・スィントン、タラジ・P・ヘンソン、そしてケイト・ブランシェットの姿も今見ると、嬉しい作品。
 ブラッド・ピットは、本当に年を取らないのだなあ・・。

<ベンジャミンの人生は、幸せだったのであろうか?私は、辛い人生だったとは思うが、多くの人の善性、愛に触れられた彼の人生は、有意義なモノであったと思う。
 何より、彼の愛娘は、立派に育ったのであるから・・。>

NOBU
asicaさんのコメント
2021年8月29日

ベンジャミンは、幸せだったのか。
愛する人に抱かれて赤ちゃんになって天寿を全うするということになったわけで、これ以上ない幸福のようにも見えましたが、普通よりは遥かにハードなのは間違いなく、でも周りには良い人がいっぱいで愛する人とも巡り会えてるし、幸せですよね。きっと。

asica