劇場公開日 2009年1月30日

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「バグパイプは日本の逆さ箒の意味があるの?」マンマ・ミーア! kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0バグパイプは日本の逆さ箒の意味があるの?

2020年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ABBAの曲で作ったミュージカル。実はABBAが嫌い・・・というより、大学の軽音楽部在籍中に“アバが好きだとバカにされる”という風潮があったため、敬遠し続けたという理由もあったのかもしれない。おかげでヒットチャートものを録音したテープを掘り起こしてみてもABBAの曲は1曲も入っていない有様だ。しかし、劇中に流れる曲は半分以上知っていた・・・なぜだ?

 どうしてもビートルズの曲で作られた『アクロス・ザ・ユニバース』と比較してしまうのですが、歌詞をいかに巧く利用するかという点では甲乙つけがたいものの、いかにもハリウッド的な作りとなっている本作はやはり芸術性の面で劣っているような気がする。

 父親の可能性がある3人の男性を結婚式に招待するという内容。これまでも本当の父親を探すというテーマの映画はいくつかありました(『ハーフ・ア・チャンス』など)が、3人いるという設定には疑問が残る。2人ならば男女のあいだに“出会い”と“別れ”がある以上、世間でもよくある話だけど、3人になると、真ん中の男性はかなり短期間のお付き合いだったとしか考えられないので“愛”を語るには不自然だからだ。結局サム(ピアース・ブロスナン)がメインになってくるのでどうでもいいことでしたが・・・

 かと言って、楽しめなかったわけじゃなく、ギリシャのカロカイリ島を舞台にしたリゾート気分たっぷりの映像と、ミュージカルの醍醐味を堪能できる楽しい映画でございました。ただ、問題なのはブロスナンの歌が下手だったこと。『シカゴ』のリチャード・ギア以上にガッカリです。

【2009年2月映画館にて】

kossy