劇場公開日 2008年3月29日

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「(ある意味)真の芸術家の人生」非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎 JIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0(ある意味)真の芸術家の人生

2017年12月5日
PCから投稿

狂人といわれたヘンリー・ダーガーと、彼が密かに制作した小説とイラスト群『非現実の王国で』を解説するドキュメンタリー。

動画に残っていない彼の姿を、彼の作品の考察と隣人たちのインタビューから浮かび上がらせています。

ダーガーは『非現実の王国で』で、誰のためでもなく、ただ自分のために自分を表現しました。他人に売らない、見せない、ただ「芸術」です。
私も絵を描くことが結構好きですが、創作活動をするときには他人からの評価を無意識的にも必ず意識してしまうものです。
それはもちろん悪いことではありませんが、ダーガーのように他者からの評価や励ましを得ずとも、凄まじい芸術は生まれ得るのだと知り、感銘を受けました。

他人と共有できない、しない価値というのがあってもいいのではないでしょうか。
私たちはいつも他人からの承認を求めています。SNSでの自己表現が流行していることは分かり易い例でしょう。しかし他者に承認されない自己表現に満足してもいいのです。
他人に可哀そうがられても、ダーガーのように、自分が幸せと感じた生き方を信じることもできる。
幸福のあり方の多様さに気付かされました。

JI