劇場公開日 2008年1月26日

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「息の詰まる時代ゆえの不幸」母べえ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5息の詰まる時代ゆえの不幸

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

難しい

総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 65
演出: 75
ビジュアル: 65
音楽: 60

 なんと堅苦しく息苦しい時代だろう。特別高等警察はもちろん、市井の普通の警官から婦人会の人々まで、挙国一致体制の下で国家の価値観を強要する。そんな閉塞感溢れる社会の描写と、不幸な生活に耐え忍ぶ姿を淡々と描く演出はたいしたもの。映画の雰囲気はかなり良かったと思いました。子役も含めて出演者全体の演技と、それぞれの性格設定もはっきりしていてなかなかいいです。

 主演の吉永小百合、歳のわりに美人だし流石に演技力は確かなものだったのは認めるが、この映画の撮影時にすでに60歳を越えている。母というより祖母の年齢であり(50歳すぎて出産した計算になります)、いくらなんでも9歳の子供の母親というのには無理がありすぎなのでは。だから浅野忠信の恋愛とかも含めて見ていて不自然でした。ここはやはり劇の設定上の年齢相応の女優を使うべきだと思いましたし、そうしないといくら演技が良くても見ていて物語に感情移入し辛い。それとこの時代に似つかわしくない浅野忠信の茶髪の長髪も気になりました。
 街のセットは時々出てくる看板などが汚れもなくやけに新しくて使い込まれていないのはいかにも作り物感いっぱい。もう少し臨場感が欲しかった。

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Cape God