劇場公開日 2008年9月13日

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「お菓子やおもちゃ、TVやゲームよりも、家族の愛がやっぱり一番大切なものと3兄弟は教えてくれます」アルビン 歌うシマリス3兄弟 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0お菓子やおもちゃ、TVやゲームよりも、家族の愛がやっぱり一番大切なものと3兄弟は教えてくれます

2008年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 アニメかと思ったら実写とCGIを組み合わせた映像でした。実写の中で動き歌うアルビンたちは、まるで現実に実在するかのような存在感があります。実写の中で動く、アルビンたちシマリスの仕草は掛け値なくかわいらしく、愛らしいです。その豊かな3兄弟の表情は、試写会の会場でも思わずかわいい♪と歓声が上がりました。一緒に来ていたちびっ子たちも大喜びのようです。

 ストーリー面では、意外と「家族」がテーマになっている作品なのです。主人公のデイブ・セビルは、シャイなところもあって、森から街にやってきてしまったシマリス3兄弟を偶然家に連れて帰ることになったのです。
 共に暮らすなかで、シマリス3兄弟はデイブを父親のように慕うのですが、デイブはあくまで友達だと言い張るのです。

 やがてスターダムにのし上がった3兄弟は、そのちょっとした行き違いにつけ込まれて、レコード会社イアンのたくらみによって引き裂かれてしまいます。イアンによって、欲しいものは何でも与えられる過密スケジュールを強いられる日々・・・。

 そんな中、アルビンたちはやっと気がつくのです。自分たちが“本当に欲しかったものは何か”ということに。「デイブともう一度いっしょに暮らしたい!」

 お菓子やおもちゃ、TVやゲームよりも、家族の愛がやっぱり一番大切なものと3兄弟は教えてくれます。アルビンたち3兄弟はまぎれもなく、現代の多感な子どもそのものです。遊び盛りの3兄弟が、デイブの家の中をめちゃくちゃにしていく様子は圧巻で、笑えます。
 きっと観客の子どもたちはワクワクして、フラストレーションを発散するにちがいないでしょう。でも、多くの子どもたちがそうであるように、アルビンたちも本当に欲しいものはただひとつ。それは温かで、やさしくて、心から安心できるものなのです。
 ラストはジェットコースターに乗り込んだような、たたみ掛ける愉快でノリノリのストーリー。すごく温かな気持ちになれる展開でした。

 台詞は日本語版でも3兄弟は変調してあり、やや聞き取りにくいところはあります。でも仕草を見ていれば、理解はできるでしょう。
 それよりもどこかで聞き覚えのある3兄弟の声と歌。ノリノリ♪のゴキゲンサウンズに思わず、見ているものも、体が動き出してしまいそうです。それもそのはず、彼らの音楽は50年も前から、多くのグラミー賞に輝くほどの実力の持ち主なのですから。

 歌って、踊って、体も心もあったかくなれる、人気キャラクターの新感覚のエンタテイメント・ムービーです。ぜひ家族連れでご覧ください。

流山の小地蔵