劇場公開日 2009年3月13日

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「寛容に観たつもり、だが」DRAGONBALL EVOLUTION かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0寛容に観たつもり、だが

2009年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

稚拙自ブログから抜粋で。
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 原作ファンからすれば悟空にしっぽがなくて高校に通ってるという設定からして、「こんなのドラゴンボールじゃない!」と憤慨する気持ちは重々承知だが、裏を返せば、製作者側ははなから原作通りのドラゴンボールにするつもりのないオリジナルストーリーでの映画化というスタンスを明確に打ち出しているわけで、そこでいちいち原作との相違点をあげつらってもしかたない。
 基本的に映画と原作は別物と心得ている自分としてはそんな寛容な心構えで観たつもり。
 その上で冷静に言わせてもらえば、「変えるんならもっと変えなきゃだめだろ」っていうのが率直な感想。

 派手なCGやアクションはハリウッド大作らしい見栄えのするモノだが、原作からいただいたモチーフが中途半端でまとまりに欠いており、無闇に詰め込みすぎな展開がどうにも性急すぎ。

 悟空とチチの甘酸っぱい青春ラブストーリーをやるならやるでもっと紆余曲折のエピソードを積み重ねて欲しいし、天下一武道会もどきもそのディテールをきちんと描かなきゃ。
 原作を知っていれば、(設定の違いはともかく)今か今かと待ちかまえる大猿の登場も、原作をよく知らない人が観たとしたら、とってつけたような唐突さであっけにとられるほかないだろう。

 一方でこの映画の一番の見せ場であるはずの悟空とピッコロ大魔王の対決がけっこうあっけない。そこに主眼を置くなら最後の決戦前に悟空がこてんぱんにやられるくらいのピッコロ大魔王の圧倒的な強さを顕示すべき。
 なんだか、動くのがおっくうなピッコロ大魔王は献血にいそしんでて、頭の中がお花畑の悟空はたかだか使いっ走りのマイに翻弄されてばかり(注:多少誇張あり)、と、マジメにそう見せたいのか、ギャグのつもりでふざけているのかよくわからない。

 ただ個々のキャラクターについては、少なくとも寛容派の自分としては、カナダ人の悟空(ジャスティン・チャットウィン)も、あんまりエロくない亀仙人(チョウ・ユンファ)も含め、ほぼ許せてしまう。
 そんな中で、ブルマ(エミー・ロッサム)はちょっと格好いいじゃんと好感を持った一方、ヤムチャ(ジューン・パーク)だけは名前を聞いた瞬間、げ、こいつがヤムチャかよって引いてしまった。

 しかし実はこの映画で一番違和感を感じたのは、エンディングで流れる浜崎あゆみの歌う主題歌だったりする。
 ハリウッド側が原産国に気を遣ったのか、日本側がごり押ししたのかは知らないが、これはハリウッド映画なんだからと心を大きく持ってなんとか観終わったと思った瞬間流れ出す、あまりに映画に合っていない曲調と日本語の歌詞に腰砕けにされた。
 さらにここで終わりと見せかけたあとに続くオマケシーンがそれに追い打ちを掛けるわけだが。

 もっともそんな枝葉のこと以前に、根本的なところで映画的に無謀だと思えるのは、たった1時間半足らずの一本の映画の中で7つのドラゴンボールを探し集めるという物語の基本軸に時間的余裕がなさ過ぎ。あれよあれよという間に全部揃っちゃう。
 本来ならこういう映画こそじっくり腰を据えて何部作に分けたロードムービーとするべきで、そうすれば各パートで様々なエピソードも掘り下げられただろうにと思えてならない。

かみぃ