「二段仕込み。」チェンジリング みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
二段仕込み。
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師匠であるドン・シーゲル監督の『白い肌の異常な夜』やイーストウッド自身の監督デビュー作『恐怖のメロディー』では本質的に女性ってこんなに怖いもんだよ、と雄弁に語っていたものだが、本作では一転して女性の弱さと言うものを、比護して描いているのがとても興味深かったです。
更には、その弱さを克服し、腐敗に満ちたロス市警を相手に闘って行く子供を誘拐された母親の姿にも力強いエールを送っています。 実話ならではのヘビーな力作でした。
しかし警察機構のずさんな捜査に憤りを感じずにはいられません。女性軽視がまだまだ横行していた時代なんですね。
イーストウッドは誘拐犯の男が処刑されるまでを、それこそネチっこく時間を掛けて描写して行きます。これはもう監督自身の私刑なのかもしれない。
余談:
1949年、ロス市警はあらゆる悪事で街を腐敗させる巨大犯罪組織とギャング以上のヤバい手段で死闘を繰り広げた。その模様は『L.A.ギャングストーリー』で詳しい。
この『チェンジリング』は1928年を舞台にしている。
ロス市警も21年の歳月を掛けて、ようやく少しはマシになったと言うことか。
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