劇場公開日 2009年2月20日

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「おうち-221」チェンジリング かいりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5おうち-221

2020年4月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

真実でなければよかった。

「実話に基づく物語」ではなく、「真実の物語」として始まる映画。
仕事怠慢だけでなく、嘘をついている少年をこれ幸いと誘拐された子供として母親に差し出し、
「息子じゃない」と母親が申し立てても、医者や教師の証言をもってしても聞く耳持たず、挙げ句、精神異常者として精神病院にぶち込む警察。
警察とグルで動く専門家や病院関係者や市長。見てて胸糞悪いです。
子供を誘拐し、殺し続けた殺人鬼の気持ち悪さも。本当に真実でなければよかった。
警察に異常者として精神病院にぶちこまれ、抜け出せずにいる他の女性たちもおり、汚職の被害者はコリンズ夫人だけではないことがわかります。

それでも、正しい者の味方になってくれる牧師や弁護士、ちゃんと捜査をする刑事がおり、殺人鬼は逮捕され死刑は執行、精神病院の女性たちの開放、行方不明になっていた男の子の発見に繋がっていく。やはり正しいことをして、声を上げることは大切なのだ。

アンジーの、静かな中にも決して消えることのない炎が灯っているかのような、強い眼差しの演技に魅力されました。
殺人鬼を演じたジェイソン・バトラー・ハーナーさん、本当に憎たらしく気持ち悪かった。
奇才と思っている(褒め言葉)ジョン・マルコヴィッチさんが、常に正しくその信念を曲げない力強さを、冷静に見守る牧師役。こういう役もはまりますね。若いときなら、殺人鬼役で見てみたかったです。

こうやって戦ってきてくれた数々の女性たち、それを支えてくれた方々のおかげで、現代の私たちは生かされているんだと思います。

かいり
Marikoさんのコメント
2020年4月5日

わたしのレヴューへのコメントありがとうございました。
同感です。
たった一人でも、世の中を動かすきっかけになり得るということが、悲しい事件の犠牲者の勇気から証明されましたね。
涙無くして観られない作品ですが。

Mariko