ファイナル・カット(2004)

劇場公開日:

解説

人の一生の記憶が脳に埋め込まれた小さなチップに記録されている近未来の世界を舞台に描くSFスリラー。監督・脚本は、これが長編映画デビューとなるレバノン出身のオマール・ナイーム。弱冠26歳の無名の青年の脚本に惚れ込み、演出も任せたプロデューサーは、インディペンデント映画の先駆けとなった「セックスと嘘とビデオテープ」や「ラッグストア・カウボーイ」を世に送り出したニック・ウェクスラー。「グッド・ウィル・八ンティング/旅立ち」でアカデミー賞助演男優寅を獲得したロビン・ウィリアムズが、近年ハマり役の“どこか不気味な中年男”を絶妙に演じる。

2004年製作/94分/アメリカ
原題:The Final Cut
配給:ギャガ
劇場公開日:2005年12月23日

ストーリー

少年の日。アラン(ロビン・ウィリアムズ)は、両親と一緒にその町を訪れていたメガネをかけた少年ルイスと廃工場で遊んでいた。底の抜けた床にむき出しになった細い梁の上を歩くアラン。臆病なルイスも渡ろうとするが、足を踏み外してしまう。アランが思わず目をつぶった瞬間、ルイスは深い床の底へと転落し、アランの手にはルイスのペンダントだけが残された。大量の血を流して横たわるルイス。恐怖に襲われたアランは一目散に工場から走り出た。それから数十年後。アランはゾーイ・チップの編集者として働いていた。ゾーイ・チップとは、人の脳に移植して全生涯を記憶することができるチップ。死後、脳から取り出されたチップは編集者によって編集され、<追悼上映会-リメモリー>を行うのがセレブ階級の流行になっていた。しかし同時に“人殺しを聖人にする行為”“他人の目の奥を透かし見るのは神のみに許されること”とするゾーイ反対運動も起こっていた。アランはどんなに不道徳な人生も感情移入せずに直視できる性格から、“人間のくず”といわれている大物たちに重宝がられていた。そんな彼のもとに、ゾーイ・チップを扱う大企業アイテック社の弁護士チャールス・バニスターの未亡人から編集の依頼がくる。アランはずっと少年時代の記憶に苛まれ、罪の意識が彼の性格に大きな影を落としていた。そして自分が死者の罪を引き受け、魂を清めて来世へ旅立たせるキリスト教の“罪食い人(シン・イーター) ”であると信じ始めていた。そんなアランが唯一心を許せる相手は、古書店を営んでいるディライラ(ミラ・ソルヴィノ)だけだった。しかし、数年前に恋人を亡くした彼女にとって、式典で上映される映像は虚像にすぎず、他人の人生を切り張りして都合のよい記憶を作り上げるアランの仕事が理解できなかった。アランは編集の準備のためにバニスターの未亡人と娘へのインタビューを行った。バニスターのチップには娘へのおぞましい行為が映っていたが、未亡人はこれをカットするよう求める。同じ頃、かつて編集者だったフレッシャー(ジム・カヴィーゼル)がアランの前に現れ、バニスターのチップを譲るよう脅迫する。彼は仲間とともにアイテック社の不正を摘発しようとしていた。翌日、アランは映像の中に死んだはずのルイスとそっくりな男を見つけて激しく動揺する。アランはルイスのチップを探すために、編集者仲間の協力を得てアイテック社の資料部屋に侵入する。しかし、そこでアランが見つけたのは、亡くなった両親が彼の脳に埋め込むチップを購入していたという記録だった。自分のチップを取り出してあの忌まわしい記憶を見てみたい。真実を確かめたい。アランはもう自分の心を抑えることができなかった。

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映画レビュー

1.5ロビンウィリアムズ大好きだから胸糞

2019年6月25日
iPhoneアプリから投稿

ロビンウィリアムズ大好きだから胸糞

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こな

3.5これはなかなか面白かった。 SFの設定はまず受け入れないと話に入れ...

2016年8月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これはなかなか面白かった。 SFの設定はまず受け入れないと話に入れない。 近い将来、人の脳にチップを入れて記憶を映像として 残すことができる。 そのチップを20人に1人がつけている。 死後、そのチップを取り出して映像化された記憶を編 集し、追悼上映会と称し死者の冥福を祈る。 主人公はその編集者。 もちろんそこには道義的に反対者がいて、反対運動を 繰り広げ、話の筋に関わってくる。 SFとは言うもののその設定以外にその要素は無く、ア クションも無い。 非常に淡々と進んでいく。

主役のロビン・ウィリアムズ演ずるアランも行動を起 こす理由は完全な自己防衛。 偶々編集していた人の記憶の中に、幼少時に殺しちゃ ったかもしれない人に似ている人が出てきて、それが 本人か確認するための行動。 そこに、その記憶の持ち主が反対派が狙っている人だ ったりというのが絡まり展開していく。

記憶は誰のものか。 編集者という人がいることで、当事者間のものだけで はなくなってくる。 その取捨選択が編集者の役割。 編集者が垣間見た故人の記憶、それが編集者個人の記 憶になることでサスペンスが展開していく。

所々にもっとやりようがあるだろうにと思われる部分 は散見されるが、それなりに面白かった。 彼のファイナルカットには何が写ったか。

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ずん

3.0結局……

2013年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

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ひちょ
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