デッドライン

劇場公開日:

解説

1997年にタイで実際に起きた通貨危機と、以後の経済の混乱を背景に繰り広げられる社会派アクション。監督はタイ歴代興行収入5位の記録を持つ「BANG RAJAN」やタイで有名な古典長編詩を映画化した「ラスト・ウォリアー」を撮った巨匠タニット・チッタヌクン。IMF(国際通貨基金)への借金返済をめぐる新政府と反政府勢力の壮絶な攻防戦を描く。

2004年製作/94分/タイ
原題:102 Bangkok Robberry
配給:ハピネット・ピクチャーズ
劇場公開日:2005年10月22日

ストーリー

ナウィン(アムポーン・ラムプーン)は特殊部隊の兵士で、タイ国北部の国境警備を担当している。だが、タイ中央政府に反発する少数民族と国境付近で銃撃戦をした際に、タイ国防省は北部への援軍を拒否。ナウィンの部隊は、国家から見捨てられた形となり、仲間を失う。ナウィンと部隊の兵士達はバンコクに戻ったが、ちょうどその頃、国の経済は悪化していて、失業兵士が手っ取り早く稼ぐ方法は、それこそ銀行強盗しかなかった。1997年に起こった通貨危機により、タイ国内では42の金融機関が倒産。経済の悪化は社会情勢も不安定に陥れ、政府に対するデモが頻発する。このような状況を打開するために、組閣が何度も行われ、経済危機当時のチャワリット政権に代わり誕生したチュアン政権は、国際通貨基金(IMF)から5800億バーツの融資を受ける。しかし経済復興への対策は成功せず、再び総選挙が行われた。選挙の結果誕生したタクシン政権は、経済復興を公約しIMFへの返済を2年以内に行うと宣言。しかしその方法は、国営企業の売却など強引なものだった。そしてこの決断は、各機関にいる権力者や重要な役割を担う者、また国家経済を動かしている裏社会の者達からの反発を受けた。彼らは内閣を総辞職に追い込むために、IMFへの返済を阻止する計画をたてる。そしてこの目的を遂行するために、中心人物として目をつけられたのが、敏腕の失業軍人であるナウィンだった。ナウィンに仕事を依頼してきたのは、タイ国北部の戦闘で殉職した親友の父親であり、ナウィンはこの仕事を断ることができなかったのだ。IMFへの返済式典まであと2日に迫った日、バンコク市内で爆弾事件が2件発生。タイ国防省に対しIMFへの返済に反対する声明が届く。タイ政府の中枢部では、深刻な会議が行われる。返済の延期を提案する声も出たが、あくまでもタクシン政権は期限通りに返済を決行しようとしていた。テロ取締り部隊のパコン警察少佐(チャッチャイ・ブレンパーニット)は捜査により、かつて特殊部隊で有名だったナウィンが、このグループのリーダーであるということを突きとめる。IMFへの返済記念式典が開催されるその日、悪夢のような事態が発生した。ナウィン達が、バンコク市内の経済的な重要拠点である、アメリカ貿易タワー、クレジット・ユニオン・ビル、ファイナンシャル・タワー、国際開発銀行の4ヶ所に爆弾を仕掛けたのだ。政府が反対派の要求を無視したら、その一つを爆破するという声明が送られてくる。爆弾は、ビルの送電網と繋がっていることが判明し、ビル一帯の電源を落とさないと解除できないことがわかる。実はそのビルから少し離れた所に中央銀行の金庫があり、75トンの金塊が国家の財産として保管されていた。警備に支障が出る、とパコン少佐は電源を落とすことに反対する。ところが、軍内部でのIMF返済反対派の軍人がパコンに代わって現場の指揮を執り、電源が落とされてしまう。その短い時間を縫って、中央銀行の総裁が誘拐され、金庫の金塊が盗まれた。だが、IMF返済反対派グループの内部では意見が対立。IMF返済を阻止できれば目的を達成したと思うグループと、金塊まで盗むことを目的にしているグループに分かれたのだ。危機を察知したパコンは、現場に駆けつけて金塊を無事に奪回するが、ナウィンとその一味は逃走。パコンと部下は追跡を開始し、バンコクの商業地区の中心部であるパトゥムワン交差点で大規模な銃撃戦が繰り広げられる。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

  • ナウィンチャッチャイ・ブレンパーニット

  • パコンアムポーン・ラムプーン

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る