劇場公開日 2004年11月20日

イブラヒムおじさんとコーランの花たちのレビュー・感想・評価

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3.0愛は人種・宗教を超えたか?

2019年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 愛は人種・宗教を超えたか?!面白いエピソードと小ネタの集合体のような映画で、軽快なテンポ、笑える台詞で引っ張ってくれる心温まる話なのに、何か物足りない・・・

 ブタの貯金箱を割ってまでして、娼婦に相手をしてもらいたかったモモ。イメージ映像でまた貯金箱からコインを・・・映像美で攻めてくるかと思いきや、いきなり笑わせてくれる。しかも、『オーシャン・オブ・ファイアー』では存在自体で笑ってしまった、前歯の欠けたオマー・シャリフが主人公なのである。もはやアラブの英雄だった頃の面影がない・・・

 中盤からはかなりシリアスになり、父の自殺、母親の登場、優秀だった兄ポポルの謎等、モモの何かがはじけ飛ぶかのように、複雑な心理を親しき人のもとへと走らせる・・・行き場を失ったモモ少年の「養子にしてほしい」の言葉に快諾するイブラヒムがしぶかった。

 ここからは『アラビアのロレンス』も真っ青になるくらい勇ましいイブラヒム。運転免許もないのにキャッシュで車を買い、『ジンギス・カン』のように颯爽と車を走らせロード・ムービーへと変化していくのです。パリの下町が舞台になってるこじんまりとした世界観の映画だと思っていたら大間違い。色んな宗教の様式も楽しめる“宗教伝承ロード・ムービー”という雰囲気になりました。落ちも中々良かった。

 父親との葛藤、兄の謎、娼婦の今後などをもう少し描いてほしかった・・・

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kossy