劇場公開日 2004年7月31日

「死に導かれて出会い、死と生の間で漂う二人」地球で最後のふたり グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0死に導かれて出会い、死と生の間で漂う二人

2012年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

タイを舞台に、死に導かれて出会い、死と生の間で漂う二人の奇妙な同居生活。ベネチア国際映画祭主演男優賞に輝いた、浅野忠信の静かな演技に見入ってしまいました。
タイのペンエーグ・ラッタナルアーン監督、2003年の作品です。

主人公ケンジが思いがけず同居し始めた女性の家の、汚れのこびりついた皿や荒れ果てたプール。潔癖性のケンジの困惑顔が空気を和らげてくれます。同居生活の中で価値観がゆっくり揺さぶられていくけれど、やっぱり彼は彼なのが切なくて愛おしい。
二人の会話はタイ語・日本語・英語が混ざり合い、ちょっともどかしくてシンプルで率直。とても素敵に思えました。

文学青年風髪型に青白い顔の浅野忠信に最初面食らいましたが、観終わってみるとなるほど余人を以て代え難いと思いました。
ベテランの日本人キャストの中に三池崇史の名前がありました、違和感なかったです全然。

(2012.10.19 シネフク大黒座 浅野忠信オールナイト)

グッドラック