そして誰もいなくなった(1945)

解説

『犯罪小説の女王』と呼ばれた故アガサ・クリスティー女史が40年に発表した同名小説の映画化第1回作品。第2回はジョージ・ポロック監督の66年作「姿なき殺人者」、第3回はピーター・コリンソン監督の76年作(未公開)。戦火を避けて渡米していたルネ・クレールが監督。脚本をルネ・クレールと、「男の敵」でアカデミー賞を得たダドリー・ニコルズが書いている。撮影は「南部の人」のルシアン・アンドリォット。音楽はチャールズ・プレヴィン。出演はイギリス出身の俳優が多くバリー・フィッツジェラルド、ウォルター・ヒューストン、ルイス・ヘイワード、ジューン・デュプレなど。

1945年製作/97分/アメリカ
原題:And Then There Were None

ストーリー

本土から遠く離れた孤島に8人の男女が招待されてやって来る。だが孤島の別荘には主人の姿が見えず、召使いのロジャース夫婦がいるだけだった。不思議に思った彼らが話し合った結果、彼らはいずれも手紙で招かれたもので、差出人のユー・エヌ・オーエン(U. N. Owen)を誰も知らなかった。ロジャース夫婦も周旋所から手紙で雇われ、1週間前に島に来たばかりだった。本土との連絡は、数日後に来るボートだけで、それ迄彼らは島にとじ込められたわけだ。ホールにある10人のインディアンの置き物を見てヴェラ(ジューン・デュプレ)は古い子守唄を思い出す。「10人のインディアンの少年が食事に出かけた 1人が咽喉をつまらせて9人になった/9人のインディアンの少年が遅くまで起きていた 1人が寝すごして8人になった/8人のインディアンがデヴァンを旅していた 1人がそこに残って7人になった」最後は「そして誰もいなくなった」で終る唄だった。彼らがくつろいでいる時、ロジャースがかけたレコードから、10人の罪を告発する声が聞こえてきた。10人はいずれも殺人を犯したというのだが、皆一様にそれを否定する。判事(バリー・フィッツジェラルド)は U. N. Owen が Unknown(無名者)と発音できることに気付く。プリンス・スタロフが毒入る酒を飲んで咽喉をつまらせて死んだのを皮切りに、彼らは唄の文句通りにつぎつぎと殺されてゆく。殺人の後では必ずインディアンの人形が1人こわされているのが発見された。もはや殺人者は彼らのうちの1人であることは明らかである。判事、アームストロング医師(ウォルター・ヒューストン)、ブロア、ロンバード(ルイス・ヘイワード)、ヴェラの5人が残る。4人は罪を認めるがヴェラは無実を主張する。3人が殺され残りはヴェラとロンバードの2人。ロンバードを射殺したヴェラの前に判事が現われる。犯人は判事で余命いくばくもない事を知り、罪に問われなかった殺人者を自分の手で裁いていたのだ。無論殺人は偽装。今度は本当に自殺してしまう。ヴェラの前には首つりの輪がさがっている。そこにロンバードが来る。以前に真相に気付いた彼(実はロンバードの友人)がヴェラと協力して芝居をうったのだった。むかえのボートがやってきた。

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映画レビュー

3.5ワンシチュエーション演劇的

2024年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

アガサクリスティーの名作を鑑賞。
ストーリー的には良く出来ているけれど、ずいぶん昔の映画だからね。
なんかワンシチュエーション演劇を観ている感じでした。
今の時代にリメイクしたら、また感じは違うんだろうな。

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キブン

4.0有名な推理小説の映画化

2023年7月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

絶海の孤島に集められた男女たち、

1人、また1人、と人が減っていき…

原作は有名なアガサ・クリスティーの小説で、よく引用されたりパロディーされたりしてますが、

こちらは初の映画作品である、1945年のアメリカ映画です。

白黒映画で画質も悪く、今の感覚だと難ありだけど、面白かった♪

ケネス・ブラナーが、同じアガサ・クリスティー原作の名探偵ポアロをシリーズで映画化してますが、

このクラシカルな古典も、現在の技術で新しく、映画化してほしい。

ポアロは出てこない本作ですが、リメイクのアレンジとして、ポアロを出すと面白いかも(笑)

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RAIN DOG

2.5原作もそれほどではないが、映画化作品も凡庸

2022年9月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

名探偵ポアロの出てこない、アガサ・クリスティーの異色作を映画化した本作、「巴里祭」の名匠、ルネ・クレール監督作品なので期待したが、凡庸な出来映えだった。
白黒だが戦時下のせいか、映像もいまいち。俳優の演技もいまいち。ルネ・クレールは名作「巴里祭」を撮ったのが30歳前後と早熟の監督で、本作は40代半ばと脂が乗り切った年代にも関わらず、ハリウッドの空気が合わなかったせいか、フランス時代のような輝きは画面からは感じ取れなかった。
原作と違うラストも私はあまり好きではなく、クリスティー原作映画(無実はさいなむ「ドーバー海峡殺人事件」も酷かった)を一通り観たいと思うマニアにしかおすすめできない。
やはり、アガサ・クリスティー作品の映画化の最高傑作は、ジョン・ギラーミン監督の1978年版、「ナイル殺人事件」にとどめを刺す。ミア・ファローと、ピーター・ユスチノフの演技が素晴らしく、原作から抜け出たような印象で心に残る。

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naochan926

4.5元祖「そして誰もいなくなった」

2020年2月7日
Androidアプリから投稿

アガサ・クリスティ原作の『そして誰もいなくなった』初映画化作品。
この作品はユーモアたっぷりで、クスッと笑える場面がけっこうあるけど正統派という印象です。
ラストは原作と違いますが、映像化作品はこのパターンが多いように感じます。
アガサ本人が戯曲用に作った結末らしいですが…私は原作の終わり方が好きですね♪
『そして誰もいなくなった』は映画版の他にドラマ版もいくつかあり、それぞれ設定が少し違うこともあるので、比べて観ると好みの作品に出逢えるかもしれません。
原作&映像化作品を合わせて楽しむのがオススメです♪

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ROSE
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