劇場公開日 2002年2月2日

「 オクタビオとスサナの章。冒頭のカーチェイスでなぜオクタビオが追い...」アモーレス・ペロス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 オクタビオとスサナの章。冒頭のカーチェイスでなぜオクタビオが追い...

2018年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 オクタビオとスサナの章。冒頭のカーチェイスでなぜオクタビオが追いかけられているのか理由がわかる。愛犬コフィーを使って闘犬で稼ぐオクタビオ。兄嫁を奪って無謀な逃亡計画を立てるが、失意のどん底へ・・・こういうキレてしまうガルシアの演技はいいですねぇ~

 ダニエルとバレリアの章。不倫と別居など、現実的な金銭問題と愛犬の行方。ラストは悲しいが、オムニバスの中では、ちょっと異色。ネズミに犬が食われたなどといった会話にはホラー映画になるのではないかとビビってしまった。

 エル・チーボとマルの章。兄弟の醜い争い。拳銃を奪い合うところは『SAW』もこれを見て参考ににしたのではないかと思わせる。その一方で、ゴミ拾いで生活をする裏でテロリストから殺し屋稼業を続ける主人公がもっとも血の通った愛情を感じさせられた。

 全体的にはenchantの広告、交通事故、犬といった繋がりがあるのだが、登場人物がここにもあそこにもといった具合に出没する。一つ一つの人生に人がいかに関わっていくのか、奇妙な感覚を呼び起こしてしまう。犬好きの人には残酷なシーンがいっぱいあるが、人間の方が醜い争いをしてるという逆説的な描写とも言えるのかもしれない。

kossy