劇場公開日 1972年10月14日

「九尾の猫」わたしは目撃者 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)

4.0九尾の猫

2011年11月9日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館、DVD/BD

怖い

単純

前作「歓びの毒牙」の成功により、アルジェントの方向性は決定的になってしまいます。

元来、様々なジャンルに興味を抱いていた彼はこうした立場をあまり良しとはしていなかった様です😓
(それが証拠に「ミラノの五日間」という歴史コメディを後々監督しております😅)

会社の意向で急遽撮影にのぞんでしまった本作は、外部からの干渉も激しく、アルジェント自身が語る様に、充分な想像性を発揮出来ておらず、米国映画にありがちな予定調和な物語となってしまっております。

とはいえ、彼の持つ美的な構図は随所に見受けられ、魅惑的なカメラワークも更にテクニックが向上しております‼

特に犯人からの視点映像は前作とは違い、縦横無尽に這いずり回ります😅
これが、単調になりがちな物語に、不気味な雰囲気を醸し出しておりました。

また、本作から、アルジェントの特徴である「痛い演出」が顕著になり始めております。

アルジェント作品の犯人は、ただ殺すのではなく、日常生活で誰しもが、「こうすりゃ痛いでしょ」と感じるシークエンスをわざと加えて殺害に及ぶのです😨

こうする事によって、殺人という非日常的行為が、理解出来る痛みと共に身近なものとして観客に伝わります。
伝わる事により、作品の描く非日常にのめり込める効果を発揮しているのです。

アルジェント作品を御覧になった方ならば、理解して頂けると思いますが、殺害行為における一見意味のない犯人の執拗な責め苦😓

あれ痛くないですか?

そういう意味だったんですよ😅

この様に、異様な迄に殺人という行為に拘るアルジェントですが、彼のもう一つの特徴が本作でバーストしてます。

それは、
「犯人には最高の死を用意している」
と、いうもの😓

真顔でこんな事言うんだから、確実に常人では計り知れない斜め上をいってます😓😓😓

アルジェントが語る様に本作の犯人も凄い目にあってます😨

ただ、「サスペリアPart2(Proffond Rosso)」のカルロ虐めには劣りますが…😅
というか、あれを越える非道で残虐な殺し方はそうそうお目にかかれるもんじゃありませんし…😨

とにかく、後のアルジェント作品の骨子となるあらゆる要素の土台が発見出来る作品です‼

ファンの方は是非❕

そうでない方は要注意‼
下手な興味で手を出すと爆死します😅

かもしだ