ワイルド・イースト

劇場公開日:

解説

監督自らが“最後のソビエト映画”と称する、西部劇風の近未来アクション。映画は20世紀末、文明が滅び、砂漠に楽園を創造することを夢見る小人の一団と、彼らの前に現れたオートバイ軍団の戦いの描写を通して、旧ソ連の現状を投影している。「七人の侍」などの過去のアクション映画、さらにはパンクなど西欧のサブ・カルチャーをも視野に入れた作風が特色。監督のラシド・ヌグマノフは旧ソ連カザフスタン出身で、前作「僕の無事を祈ってくれ」で、旧ソ連において500万人の観客動員を果たし、諸外国でも高い評価を得、カザフ映画製作者協会会長に選ばれた。この作品では制作者、脚本も兼ねている。撮影のムラート・ヌグマノフは「僕の無事を祈ってくれ」も手がけたが、ラシド監督の兄弟でもあり、又この作品の共同プロデューサーでもある。音楽はアレクサンダー・アクシュノフで作品の中に出演者として顔を見せてもいる。出演はコンスタンチン・ヒョードロフ、ザーナ・イシナ、ゲナディ・シャツノフほか。撮影はキルギスタンで行われた。

1993年製作/カザフスタン
原題:Diki Vostok The Wild East
配給:アスク講談社=シネマ・キャッツ(協力*オンリー・ハーツ)
劇場公開日:1995年4月29日

ストーリー

小人の一団<太陽の子供達>は、20世紀末に起きた内乱を逃れて天山山脈を目指して旅を続けていた。しかし彼らの前にオートバイに乗ったならず者の一団が現れ、彼らに対し理不尽な要求を突きつけたあげく、リーダーを射殺して去って行った。小人たちは彼らから身を守るため、7人の用心棒を雇い、彼らと戦うことにする。小人のイオナは酒場を巡り、カウボーイやマリリンと名乗る女性、ゴッドファーザーやビートニク、モンゴルなどを始め、くせ者たちを雇うことに成功する。彼らは小人たちに歓迎され、契約するが、いったんはオートバイ軍団たちの勢力に士気を失う。しかしマリリンに鼓舞されたことで、彼らは一致団結して戦うことにする。それはかつて古い映画で見たことのあるという(「七人の侍」のそれにも似た)作戦による戦いだ。こうした戦いの中で、マリリンは負傷し、イオナとひそかに愛し合っていた彼女は別れを告げ、イオナに指輪を与えると死んでいく。戦いは決着がつかず、オートバイ軍団の首謀者に呼び出されたカウボーイは彼らとのやりとりの末、ついに軍団のリーダーを倒す。マリリンを埋葬すると、生き残ったカウボーイ、モンゴルはイオナたちに別れを告げてそれぞれの道を歩いて行くのだった。

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